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辻調グループ フランス校

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La Maison du Comtéラ・メゾン・デュ・コンテ(コンテチーズ博物館)

フランス校日記

2020.10.15

Bonjour, フランス校教務部です。
前回のフランス校日記ではワインの原料となるブドウの収穫についてお伝えしましたが、そのワインと並んで、フランスを代表する食品と言えばチーズです。

コンテチーズ博物館の外観。事前予約制で、ガイド付きツアーに参加できる。日本語のパンフレットも常備してある。
コンテチーズ博物館の外観。事前予約制で、ガイド付きツアーに参加できる。日本語のパンフレットも常備してある。

フランス第13代大統領、ド・ゴールの
「258種類のチーズがある国をどうすれば統治できるというのかね。」
という有名な言葉や、第二次世界大戦中、ドイツの支配下にあったフランスについて、当時、イギリスの首相であったチャーチルが
「400種類ものチーズを創造した民族が滅びることはあるまい。」
と語ったという逸話が示すように、世界に冠たるチーズ大国であるフランスには、現在、300から400種類のチーズがあると言われています。
そして、その数あるチーズの中でも、クセの無い濃厚な旨味によって、フランスで最も愛されているものの一つが、日本でも人気の高いコンテチーズです。

コンテチーズ博物館のガイドツアーの様子。コンテチーズの生産地や製造方等、動画を使用しての説明もあり、とても分かり易い。
コンテチーズ博物館のガイドツアーの様子。コンテチーズの生産地や製造方等、動画を使用しての説明もあり、とても分かり易い。

コンテチーズは、スイスと国境を接する、フランス東部のジュラ山脈一帯で生産されていますが、先日、そのジュラ地方のPolignyポリニーという町にある、La Maison du Comtéラ・メゾン・デュ・コンテ(コンテチーズ博物館)を訪れてきました。
チーズ製造を学ぶ国立の学校や、コンテチーズ製造組合のチーズ熟成庫が複数あることから、ポリニーは、「コンテチーズの首都」と呼ばれているそうです。

冬季に牛の餌となる干し草の説明。触ったり匂いを嗅いだりできる。
冬季に牛の餌となる干し草の説明。触ったり匂いを嗅いだりできる。
コンテチーズ1個の重さは何と40キロ!原料となる牛の乳はその10倍の400キロ必要で、牛20頭が1日に出す乳の量に相当する。
コンテチーズ1個の重さは何と40キロ!原料となる牛の乳はその10倍の400キロ必要で、牛20頭が1日に出す乳の量に相当する。

さて、コンチーズは、1996年にAOP(原産地名称保護)に認定されていますが、2019年の生産量は67991トンで、フランスでAOPに認定されているチーズの中では、最大の生産量を誇ります。
また、フランス国内だけではなく、海外に輸出されていますが、中でも重要な市場としてベルギー、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本の5か国が挙げられるそうです。
このデータからも、やはり、コンテチーズが日本でも人気があることが分かります。

ツアーの最後はお待ちかねの試食。コンテチーズは83種類ものフレーバーに分類可能とのこと。
ツアーの最後はお待ちかねの試食。コンテチーズは83種類ものフレーバーに分類可能とのこと。

コンテチーズの原料は、モンベリアード種(95%)とフレンチ・シンメタール種(5%)という牛の乳なのですが、何と牛1頭当り1ヘクタールの放牧地を確保することが、AOPによって義務付けられているというから驚きです。
広大な放牧地を有するフランスならではというところでしょうか。
また、夏季は牛が放牧地に生える様々な草花を食べるのに対し、冬季は干し草を餌にすることから、同じコンテチーズでも、熟成期間の長さはもちろんですが、作られる季節によって、色や風味が大きく異なるということは、あまり知られていないのではないでしょうか。

奥が4ヵ月熟成の冬に作られたもの。フレッシュで食べやすい。手前が12ヵ月熟成の夏に作られたもの。より複雑で濃厚な味わい。
奥が4ヵ月熟成の冬に作られたもの。フレッシュで食べやすい。手前が12ヵ月熟成の夏に作られたもの。
より複雑で濃厚な味わい。

コンテチーズ博物館では、このような専門的な知識の他にも、美味しいチーズの選び方や、様々な食材やドリンク類との組合せといった、日常生活でも役に立つ情報を沢山得ることができます。
もしジュラ地方を訪れる機会があるようでしたら、是非一度足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

La Masion du Comté
住所:Avenue de la Résistance, 39800 Poligny
Tel :03 84 37 78 40
http://www.maison-du-comte.com/