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辻調グループ フランス校

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松崎 聖也さん 研修先:PATISSERIE BAMAS

研修生レポート

2014.10.14

松崎 聖也 MATSUSAKI Seiya
愛媛県立東温高校 卒業
辻製菓専門学校 製菓衛生師本科 卒業
2014年春コース エスコフィエ校 製菓研究課程
研修先: PATISSERIE BAMAS


フランス西南のリゾート地ビアリッツからバイヨンヌに向かって北上する途中にあるアングレという街にある研修先です。
シェフのバマス氏は2003年の製菓クープ・ド・モンド世界大会でフランス代表チームの一員として出場し、
2011年にMOF(フランス最優秀職人賞)を受賞しています。名高いシェフのいる研修先での生活をお話してもらいました。


Patisserie BAMAS は3店舗ありその本店は少し街からはずれた静かなところにあります。
バス停の近くなので気軽に足を運べる場所だと思います。外観は一目で「Patisserie BAMAS 」だというのが
分かるくらいの赤いお店ですね。ケーキの値段が少し高いせいか若いお客さんはあまり見ない気がします。


仕事は朝来たらまず、プティガトーの飾りをし、その次にアントルメをします。ケーキの種類としては約10 種類くらい
やらせてもらっています。それが終わると毎回していることは違うのですが、だいたいはガトーバスクをしますね。
クリームを作ったり生地を作ったり飾りをしています。そして今はショコラトリーの方で作業をしているので、チョコレートを
扱っています。主にクリームを絞ったり、型からチョコを取り出す作業をしています。


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シェフはとても怖い人で、話をする時はいつも怒られている印象で態度もそっけない気がします。
怒られるのは自分に問題があるので仕方が無いとは思いますが、それにしてもよく怒ります(笑)。
毎日鍛えられているので少しだけ精神的に強くなった気がしますね。


製造に日本人の方がいてよく訳していただいたり、仕事を教えていただきいつも助けてもらってます。
頼りすぎる部分が多いので良い意味で頼りすぎないように精進していきたいです。
他の人も分かりやすいフランス語を話そうとしてくれたりジェスチャーもしてくれたりといい人もいます。


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いつも親切にしてくれるブラジル人の先輩と


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今やらせてもらっている仕事、チョコを絞っている自分です


休みの日は住んでいるところからバスで40分ぐらいしたところにビアリッツという街があるんですけど、そこに行ったりします。
海もあり快適な場所です。ちなみに大きなカジノもあります(笑)。何軒かパティスリーもあるのでケーキを食べながら
海を眺めるのがいいですね。今住んでいるところがバイヨンヌという街のほぼ中心で、普段はその街で買い物をしています。
日本人の方が経営しているお店もあるので、そこでご飯を食べながら話しをする時もあります。


買い物をする時はだいたい1回20€くらい使ってしまいます。あとは近くの街周辺を歩いたり、徒歩3分くらいのところに
大聖堂があるのでそこに入ってリラックスしてる時もあります。ここのステンドグラスはめちゃくちゃきれいです。
スペインも近く、車で1時間くらいの距離らしいので今度ゆっくり見てみようと思います。


生活環境はガス台が2つ、ベット、冷蔵庫、トイレ、お風呂と生活に必要なものはだいたいそろっているので特に困ったことは
ないです。強いて言うなら職場までが遠く、バスのない時間帯の時は1時間かけて歩いて帰ることですね。(笑)


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職場の人と一緒に食事


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よくご飯を食べに行くお店のオーナーさんと


研修先で必要だと思ったことは技術や作業性というのはもちろんなんですけど、1番は「コミュニケーションをとる」
ということですね。自分からとろうとする意識がないとなかなか話せないですし、言葉が分かっていないと技術や作業の
細部まで理解することができません。
自分から「次は何したらいい?」とか「これはどうやってやるの?」とか言わないと仕事をもらえない時もあります。

僕は幼い時から人見知りで初対面の人とはなかなかコミュニケーションをとれないですが、フランス人は初対面の人でも
違う国籍の人でも普段と変わらずに話をしています。
そういった光景をみることは僕にとってすごく勉強になってますね。


正直在学中は「なんとかなるだろう」という甘い考えを持っていました。
しかし、いざ職場に入ってみると自分が培ってきたものがなかなか通用せず、はね返されてばかりです。
なので、今は毎日がむしゃらにやるしかないですね。


言葉が分からないと怒られるという厳しい環境ですが、こういった環境で生活をさせてもらってるというのは
ありがたいことだと思います。研修に出て責任感や積極的というのが強くなりましたし、より行動に移せるようになりました。
そして何といっても、研修をすることで友達や先生、家族といった存在がどれほど大切かということが分かりました。


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バイヨンヌの景色と


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聖堂のきれいなステンドグラス


自分はフランスのお菓子、料理を食べること、フランスの建物を見ること、そしてフランスの文化に触れることで
お菓子に対する創造性や感受性を豊かにしたいと思い、フランスに来ました。
「ケーキ 」というのは自分の過去の体験、感性、創造性など「自分」というものを全て乗っけて作ることのできる
素晴らしい食べ物だと思います。
ケーキを食べることによって満足感や幸福感を感じ、「笑顔」にさせることもできます。


今の自分では技術も感性も足りません。経験だって浅いです。しかし「フランスを肌で感じた」ということが
将来絶対役に立ちますし、それを日本風にアレンジすることで驚きも与えることができると思います。


自分が作ったケーキを食べてもらうことによって、誰もが笑顔になれる。
そのような職人になることが僕の将来の夢です。


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