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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Alain Perrillat-Mercelot(アラン・ペリヤ=メルスロ氏)/Atmosphères(アトモスフェール)

フランス校教壇から

2018.06.28

本日のレクレール校の外来講習は、フランスの東部サヴォワ地方のル=ブルジェ=デュ=ラック(Le-Bourget-du-Lac)にある宿泊施設付きのレストラン「アトモスフェール」より、オーナーシェフであるアラン・ペリヤ=メルスロ氏にお越しいただきました。

同店は、『ミシュランガイド』フランス版で1つ星を維持し続けています。シェフは、サヴォア地方で採れるものを使った料理を作ることを常に意識されているそうです。
今回ペリヤ氏には、ラバレという地元の湖で採られた魚を使って3種類のバリエーション料理を紹介していただきました。

一品目
ラバレの身を3枚に卸して皮をはぎ、塩とピマンドエスプレッドと呼ばれる唐辛子を少量まぶして、低温60℃で15分火を通します。それに2週間漬け込んだ自家製の野菜のピクルス(ビーツ、オニオン、カリフラワー、ういきょう、セロリ、アティーチョークなど)を付け合わせで盛り付け、レモンの角切りを散らし、さらに自家菜園で採れた香草や食用花を飾ります。アクセントにレモン風味のキャラメル、オリーブ油をかけ、仕上げに普段レクレール校で使っているのとは違った風味のあるポワーブル・ティムとよばれるこしょうを振りかけます。


冷製メニュー

二品目
おろしただけのラバレを皮つきのまま塩で1時間ほど漬け込んだ後に、10分ほど水で塩抜きをします。しっかりと水気をふき取り、薄くスライスし皿に並べ、その上に同じ処理をしたラバレの角切りとレモン汁、しょうがのみじん切り、オリーブ油でマリネしたものを散らします。そして、青リンゴの角切り、オニオンセベット(あさつき)、野生フヌイユの葉、野生のバジルの葉を添えます。かつて訪れたことのあるメキシコのセビーチェという街を思いながら作られたそうです。


野生フヌイユの葉、野生のバジルの葉を散らした一品。


冷製メニュー

三品目は暖かい料理です。
ラバレの身を皮目からゆっくりと火を通し、8割ほど火を通したらお皿に裏返して盛り付け、余熱で全体に火を通すといった方法を取ります。ラバレに火が通りすぎないのがポイントです。
付け合わせとして、サボォア地方特産であるふだん草に火を通したものと、こちらも同じ地方の名物であるポーモニエ(pormonier)と呼ばれるソーセージ(ふだん草、豚肉、ポロねぎ、ほうれん草で作られたソーセージ)のミルフィーユ仕立てを紹介されました。


とてもきれいな層のミルフィーユでした。

さらに、地元のジロール(あんず茸)をソテし、オニオンセベットを加えたものを盛り付けます。ソースは、こちらもサボォア地方で作られるヴェルモット酒をふんだんに使ったもので、生クリームがベースです。ヴェルモット酒の香りが立つおいしそうなソースで、研究生たちも最後のムニュースペシャル(卒業制作発表会)で使いたいと言っていました。


サボォア地方で作られるヴェルモット酒

シェフは、ひとつひとつの作業が丁寧で、サボォア地方を大事にされていることが伝わってきます。今回、スタージュ中の木下裕貴君もシェフの助手として来校しました。授業の最後に、研修先の体験談やスタージュに臨むためのアドバイスを熱心に伝えてくれました。


盛り付けの指示を受け、一品目をさっそうと盛り付ける研修生の木下君。

最後はシェフと講習の助手をしてくれた研究生、小山慎太郎君(左端)と永畑樹君(右端)、木下君と記念撮影。