FRANCE

辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Jean-Flançois MALLE(ジャン=フランソワ・マル)氏/Restaurant la Rotonde(レストラン・ラ・ロトンド)

フランス校教壇から

2015.11.06

フランス校に学生が到着してから一か月が経過しようとしています。
実習授業も進みメニューも複雑になってきました。
そんな中、初めての外来講習が行われました。助手にあたる学生だけでなく、全体からも緊張感が伝わってきます。



本日外来講習に来てくださったのは、学校から車で30分程度、リヨン近郊にあるCharbonnière les Bains(シャルボニエール・レ・バン)の5ツ星ホテル&スパ「le Pavillon de la Rotonde」(ル・パヴィヨン・ドゥ・ラ・ロトンド)の中にある2ツ星レストラン、「Restaurant la Rotonde」(レストラン・ラ・ロトンド)のJean-Flançois MALLE(ジャン=フランソワ・マル)氏です。

ブルターニュ地方出身のマル氏は、地元星付きレストランで働いた後、外来講師としても来校されているリヨンの1ツ星レストラン「テラス・ド・リヨン」の元シェフ、ダヴィ・ティソ氏に師事しました。その後リヨンのホテル・メトロポールでシェフを務め、2012年からラ・ロトンドに入られたようです。
2013年にはパテ・クルートの世界大会で優勝もしている実力者です。
リヨン近郊のレストランガイド「LYON restaurants 2016」では、おすすめレストランの一つにも選ばれています。
学生にとっては、初めての外来講習でしたが、肉の縛り方やソースの作り方、周りをきれいにしながら作業をするマル氏の様子は、シェフがいつもしていることと同じだと感じたはずです。

また、セルクルを使ったきれいな盛り付けも印象に残ったと思います。



☆今回披露いただいた料理2品



St Jacques rôties et caviar, Crémeux Dubarry et encornet
にんにくとの香りをつけて香ばしく焼いたホタテ貝とイカに、キャビア、柔らかいカリフラワーのムース、イタリアンパセリのピュレを添えた一品です。

生のホタテ貝を掃除し、ヒモの部分はよく洗います。
このヒモを炒めて、バルサミコ酢と一緒に煮詰めて旨みを凝縮します。
香りのよいノワゼット油を加えてでレッシングに仕上げます。

おなじく香ばしく焼いたノワゼットを添えて香りと食感も出しています。

 
シェフを真剣な眼差しで見つめる助手の柳下君(左)と辻君(右)


Chevreuil rôti,Navet, betteraves et condiment agrumes
シカ肉に、根菜とオレンジベースの薬味を添えた一品です。

シカ肉は背肉を使い、丁寧に糸をかけ、にんにくとタイムの香りをつけたバターでじっくりと焼き上げます。
焼いている途中にトランペットという黒いキノコを加え、シカ肉から出た旨みを吸わせながら仕上げます。

根菜類は、旨みを逃さないように蓋をして火を通します。
別で炒めた根菜にコリアンダーとオレンジジュースを加え、煮詰めて薬味を作ります。

ソースは、赤ワイン、ジビエの骨や肉、出汁の旨みが凝縮し、こしょうやねずの実などの香辛料を効かせたジビエ料理の定番ソース、ソース・ポワヴラードを添えます。
レストランでは、このソースを煮詰めるのに6時間かけるそうです。


シェフを囲んで、助手を務めた柳下 涼君(左)と辻 勝也君(右)