FRANCE

辻調グループ フランス校

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製菓外来講習 M. Nolwenn PELLET(ノルウェン・プレ氏)/ Grains de Sucres(グラン・ドゥ・シュクル)

フランス校教壇から

2023.05.26

今回お越しいただいたのはリヨンのパティスリー「グラン・ドゥ・シュクル」のノルウェン・プレ氏です。

プレ氏はパティシエとしてフランス国内だけでなくイギリスやオーストラリアでも腕を振るった経歴の持ち主です。三ツ星レストランのシェフ・パティシエという経歴をもつパートナーのポリーヌ・ドランジュ氏、パンの世界大会にフランス代表としての出場経験を持つエドゥアルド・ドランジュ氏の3名でグラン・ドゥ・シュクルをオープンしました。毎日お客さんの絶えない人気店で、さらに現在の店舗を改装し、ショコラトリーをオープンする予定だそうで、これからの更なる発展に期待されるお店です。

グラン・ドゥ・シュクルの食べ歩き日記はこちら

今回披露していただいたお菓子を紹介します。


Le céréale



La barre céréale

この二つのお菓子に共通している食材が、"Amarante"(フランス語でアマラント)という穀物です。日本ではアマランサスと呼ばれていますが、このアマランサスの種子を使用したお菓子を紹介していただきました。

まずは、Le céréaleから紹介します。こちらのお菓子のポイントは"軽やかさ"。

このお菓子は、キャラメル、ミルクチョコレートのクリーム、ホワイトチョコレートのムース、ビスキュイ、アマランサスとナッツ類をホワイトチョコレートで固めたクルスティアンで構成されています。クルスティアンとは、フランス語で『サクサクとした』という意味です。このクルスティアンに使用しているアマランサスは、キャラメリゼしたものとポップコーンのようになったものを、触感のアクセントに使用しています。また、アマランサスを芳ばしく焼いたものと、油が出るまでミキサーで細かくしたペーストをガナッシュクリームと合わせることで軽やかな穀物の香りが、キャラメルや、ヘーゼルナッツ、アーモンドなどのナッツ類とも良く合います。

このケーキは、『軽やかさに注目し、糖分を調整し甘くなりすぎないようにした。また使用する油脂はナッツ類をペーストにしたものや、ブドウの種子の油を使用することで、口当たりが軽やかになる。軽やかなお菓子だからこそ、触感のあるものをプラスし食べ応えのあるものにした。少し苦さのあるキャラメルでバランスの良いお菓子に仕上げた。』と、プレ氏は話してくれました。

次に、La barre céréaleを紹介します。

こちらは、チョコレートタブレットです。チョコレートのアクセントに、Le céréaleで使用したアマランサスやナッツ類をホワイトチョコレートで固めたクルスティアンを合わせています。食感も楽しめるチョコレートです。

アシスタントの研究生達は、クリームを絞る・ムースの組み立て・お菓子の仕上げなど、沢山の作業に携わりました。プレ氏の綺麗で手早い作業を間近で見ることができ、実際のパティスリーでの仕事のスピード感を体験できたことに、とても喜んでいました。

またプレ氏は、オリジナルの型を使用して、綺麗で効率の良いパティスリーならではのお菓子作りのプロセスを説明されました。そして、お菓子の味のバランス・配合を変更するときのポイントや、どのようにしてこのお菓子が出来上がったのか、実際に起きた出来事を例に研究生達に分かりやすく話してくれました。研究生の質問にも丁寧に答えてくださりました。

【研究生からのコメント】

『今回の講習では、シリアルを使ったお菓子とチョコレートタブレットを作成しました。同じものを使用していても、組み合わせるものによって違った味わいになり興味深かったです。プレ氏の講習はとてもスピーディーで、実際に現場で働いている人の仕事の速さを体感することができました。作業の一つ一つが丁寧であり、無駄を省いて早く仕上げていることが見てわかりました。実際に自分が研修に行く際にどのように働くのか考えることができいい体験になりました。』

『いつもの実習では、ドゥムール先生は僕たちにわかりやすく話してくれるので、フランス語も聞き取れる単語が増えて来たなと思っていましたが、シェフは話すのが早く、知っている単語も聞き取れないことがあったので、"スタージュに行った時はこんな感じなんだろうな"と、実感しました。また、シェフの作業のスピードを間近で見ることができて刺激を受けました。どんどん進んでいくのでいろんな作業をやらせてもらうために自分で積極的にコミュニケーションをとることの大切さを感じました。』

Merci! M.PELLET!