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調理外来講習 M. Sébastien CHAMBRU(セバスティアン・シャンブリュ氏)/L'O des Vignes(ロ・デ・ヴィーニュ)

フランス校教壇から

2018.08.15

今回の外来講師は、M. Sébastien CHAMBRU(セバスチャン・シャンブリュ氏)です。レストランL'O des Vignes(ロ・デ・ヴィーニュ)のオーナーシェフで、
レクレール校から車で北へむかって1時間ほどのブルゴーニュ地方、白ワインで有名なマコン地区のPouilly-Fuissé(プイィ・フィッセ村)にあります。
シャンブリュ氏は、ポール・ボキューズなどで研鑽を積まれ、南仏や2010年に現在の村にレストランを開業され、2018年のミシュランガイドでは一つ星を獲得されています。
レストランにはブルゴーニュ地方の家庭料理を食べることが出来るワインバーも併設されており、リーズナブルな価格で料理を楽しめるのも魅力の一つです。


講習ではブレスの鶏を使った2品を紹介していただきました。


1品目はブレスの鶏の半身を使用した前菜。
皮をはいだ胸肉とささみを薄切りにし、レモン風味のドレッシングとピーナッツ油にマリネしておき、もも肉とバジリコ、ショウガでブイヨンを取ります。バジルとレモンの塩漬け、プチトマトと共に鶏肉とささみを盛り付け、お客様の目の前で熱々のブイヨンを注ぐと料理が完成します。

2品目はメイン料理。
鶏の背側から切り込みを入れモモ肉部分の皮をはがしていき、その皮を切り離さずに胸肉を胸骨から外します。皮を剥がしたモモ肉は可能な限り筋を取りながら骨から外していきます。皮付きの胸肉を広げ、バランスを見ながらモモ肉を並べ巻き込み、ラップで包んで65℃の蒸し器で8時間ほどゆっくりと火を通します。そうすることで胸肉はしっとりと、モモ肉はほぐれるような柔らかな仕上がりになるそうです。

手が込んでいるメインとは対照的に、付け合わせはいたってシンプルです。色鮮やかに塩茹がきにした様々な野菜をバターで絡めて仕上げ、鶏やソースと共にバランスよく皿に盛り付けていました。

「今流行りのパウダーや花など、ただ華美に装飾するためだけの物は料理には必要ない」とおっしゃっていたシャンブリュ氏。
今回披露してくださった料理2品も、鶏をおいしく食べるために必要最小限のものが皿の上に盛り付けられ、シェフの料理に対する理念が垣間見られました。

本日のアシスタントを務めてくれたのは料理研究課程に在籍する3人の研究生、
(左から)下田直弥さん、伊藤宗真さん、佐伯侑大さんでした。