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辻調グループ フランス校

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調理専門講義 M.Franck BOISSIEUX(フランク・ボワシュー氏)/ La Baume Saint Antoine(ラ・ボーム・サンタントワーヌ)

フランス校教壇から

2020.02.20

今日は調理研究生を対象に、トリュフ栽培・販売会社La Baume Saint Antoine(ラ・ボーヌ・サンタントワーヌ)のフランク・ボワシュー氏にトリュフの講義をしていただきました。こちらの会社はリヨンから南へ100kmほど下り、レストラン「ピラミッド」で有名なドローム県ヴァランス近郊にあります。1995年創業で、今年25周年を迎えます。

 同社はトリュフを広めるために多種多様な活動を展開中。ガイド付き見学では、人口栽培を行っている森に入り、犬がトリュフを探す様子が見られ、旬である11月には新鮮なトリュフを販売し、それを使った料理の試食も行っています。またトリュフ風味の塩など、加工品も常時販売しています。

はじめに地図やプロジェクターを使ってトリュフの収穫方法や収穫の時期、人工栽培の方法や適する土壌などについて詳しく説明して頂きました。トリュフの収穫ではブタに犬、ハエを使います。収穫時期は、トリュフの種類によって違いますが、10月から3月まで。自然にできるトリュフは量も少ないので、今から約150年前に発見された人工栽培で生産をしています。年間の収穫量はおよそ150トンで、その9割近くが人工栽培だそうです。トリュフは石灰質で水はけのよい土壌で育つので、フランス南部はトリュフ栽培に適しており、生産地はこちらの地方に集中しています。

その後は黒トリュフ、秋トリュフ、サマートリュフなど種類の説明と、色や香り、味の違いなどを説明していただきました。トリュフの種類を区別する場合、香りだけでなく、表面の皮と断面の模様で区別します。手に取って実際に見ることが大切であることと、購入をするときには、表面をナイフで削って中の模様を見せてほしいと依頼することも可能だそうです。その後、実際にスライスした黒トリュフの試食をしました。

さらにトリュフを使った加工品として、トリュフ塩やトリュフバターなども紹介して頂き、そのバターをたっぷりと塗ったタルティーヌも試食しました。トリュフは油脂成分と相性がよく、バターや油などに香りを移すことが可能です。その特性を生かしてトリュフバターや油が作られています。

最後にフレッシュ・トリュフの保存方法やイタリアの白トリュフとの違いについての質問がありました。フレッシュ・トリュフは一度に大量に食べるものではないので、余った場合は冷凍保存ができて、環境によりますが1年くらい使用できるそうです。また乾燥したトリュフは、米やタマゴと一緒に密閉容器に入れておくと香りが移り、リゾットやスクランブルエッグにするとよいそうです。フランス産の黒トリュフとイタリア産の白トリュフは日本でも有名です。どちらも高価ですが、黒トリュフが1キロあたり1000ユーロなのに対して、白トリュフは3000ユーロするそうです。本日の講師のボワシュー氏は、「トリュフは高いというイメージがありますが、料理で使われる量はとても少なく、手が届かないものではありません」とおっしゃっていました。

今日の講習でトリュフについての知識を得たので、きっとこれから効果的な方法で料理に活かせることでしょう。