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毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第54講「小松菜」

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美食地質学入門

2023.01.11

1月10日(火)の毎日新聞(夕刊)に「美食地質学入門」が掲載されました。

「春のセンバツ」、「夏の甲子園」、「よかった菜」...、これ品種名なんですが、

テーマ食材は小松菜


東京の江戸川区小松川地区で栽培が始まったことから地名が名前の由来ということで、やはり主に関東で栽培されてきました。
最近ではビタミン、鉄分、カルシウムが豊富に含まれていることから栄養面で注目され、栽培量が増えるとともに全国各地で栽培されるようになりました。
収穫量が多いのは茨城県で、続いて埼玉県、福岡県となっています。(2021年)
東京都は全国4位で、中でも名前の由来の地がある江戸川区の収穫量はその中の40%をしめています。

消費者の方々が気にすることはほぼ無いとは思いますが、冒頭で紹介したように実は固定種からF1種まですっごくたくさんの品種があります。

固定種には、江戸東京野菜に認定されている「ごせき晩生(ばんせい)小松菜」や「城南小松菜」という品種があります。(いわゆる伝統小松菜)
これらは全体にやわらかく茎も弱く折れやすいことから、収穫も袋詰めも大変なので、現在のF1品種たちは品種改良の目的の一つとしてチンゲン菜などとの掛け合わせで茎の強化が行われているようです。

そのような事情も含めて、各種苗会社さんがたくさんの種類の小松菜の品種を開発・販売されています。
今では栽培品種を変えることで、1年間に5~6回も収穫できる効率の良い農作物となり、1年中出荷されています。
冒頭の品種の一部などからは、植える時期が想像できます。

さて、対談の内容は新聞紙上及び毎日新聞ホームページをご確認ください。

今回は巽先生と辻調理師専門学校・日本料理の松島愛先生との対談となります。

料理は、日本料理・簾先生にご担当いただきました。





▲小松菜ジュース
生の江戸川小松菜の持つ苦みと甘味をダイレクトに味わっていただきます。
さらに「小松菜ウォーター」を追加していただき、生の小松菜を堪能していただきます。(追い小松菜)


▲テュイル
江戸川小松菜の葉に小松菜のテュイルを挟んで提供します。
お好きな小松菜の葉をご自身でお取りいただき、生の葉の苦さや小松菜テュイルのほんのり甘い味を楽しんでいただきます。
小松菜テュイルには小松菜の黒胡麻和えを挟んでいます。


▲前菜(左上から時計周りに、辛子和え、煮浸し、春巻き、ゼリー寄せ)
前菜の小松菜はすべてあらかじめ低温で加熱したものを使用し、食感を残しながら甘味を引き立たせたものを使用しています。
定番の2品(辛子和え、煮浸し)、カリカリ食感の春巻き、小松菜と若芽をゼリーで固めたゼリー寄せでザクザクの食感を楽しんでいただきます。


▲お椀(小松菜すり流し 鶏団子 小松菜スプラウト 小松菜せんべい)
小松川からほど近い深川の郷土料理「深川めし」で使用するあさりと、小松菜をスープで融合させました。
小松菜せんべいは口直しでそのまま食べて食感を楽しんだり、好みで割ってお椀に入れて食べていただきます。


▲焼き物(穴子白焼き 大根、舞茸 小松菜きんぴら 小松菜山椒ソース)
小松菜と相性の良いバター、山椒を合わせてソースにしました。
癖が少なく、色々な食材に合うソースになります。


▲小松菜の和え麺
野菜の味がしっかりしている江戸川小松菜のジェノベーゼソースを冷や麦に和え、少し苦みが強い小松菜の小葉を添えて提供します。
ソースはバジルよりも苦みが少なく、程よい苦みと香りを味わっていただきます。

合わせるのは、東京都東村山氏にある豊島屋酒造株式会社さんのお酒。

▲金婚 吟醸辛口 ぎんから

次回2月のテーマは、「ブリ」

どうぞお楽しみに。