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辻調理師専門学校

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トリュフ トリュフ トリュフ

高度調理技術マネジメント学科

2021.02.16



こんにちは ボン・ジュール!
またまた高度調理技術マネジメント学科3年制の特別セミナーを紹介します。

フランス料理の高級食材と言えば『フォワ・グラ』、『トリュフ』、『キャビア』が挙げられ、
フォワ・グラ、キャビアのセミナーをすでに実施しましたが、今回はトリュフ!!!
トリュフって謎だらけで知らない事ばかり。どうして高価なんでしょう。
そんなトリュフの謎を知ろうということで、
輸入など取り扱っているアルカン社とフランスのべロール社に協力いただき、
トリュフについての特別セミナーを、3年生対象で実施しました。

さて。トリュフって何か知っていますか。
黒いダイヤと言われているトリュフは、セイヨウショウロ科、セイヨウショウロ属のキノコの総称ですが、
皆さんが知っている きのこ とはちょっと違って、土の中に埋まっているのです。
簡単に言うと、樫の木やヘーゼルナッツの木の根っこから栄養をもらい共生しています。
トリュフと木の共生はとてもデリケートで、バランスが崩れると両方死んでしまうそうです。

そんな神秘的なトリュフに関する講義を、ベルオール社のアレクシーさんに日本語で解説してもらいました。

トリュフは世界に約200種類以上あり、世界の全大陸に存在しています。
その中でもフランスでは通常5種類の品種が使われています。
① サマートリュフ(夏トリュフ)
② オータムトリュフ(秋トリュフ)
③ 中国トリュフ(中国産のトリュフ)
④ 白トリュフ(イタリアアルバ産が有名)
⑤ 黒トリュフ(フランス、イタリア、スペインなどで取れる冬トリュフ)

今回は⑤の黒トリュフを紹介します。
正式名称をメラノスポラムと言い、ヘーゼルナッツ、チョコレート、コーヒーなどが混ざった
複雑な香りに表現されることが多いです。
トリュフに適した土や木があり、気候も8月には雨が必要で、
冬は寒くないと成熟しなく、成熟しないと香りが出ないんです。

トリュフは地中に埋まっていて訓練された犬が探してくれますが、
犬も香りがないと探せない為、気候が悪いとトリュフが取れないんです。
犬がトリュフを探している動画があります。
オマール海老のセミナーを実施していただいたテールエメール社のFacebookのサイトですので、
興味があればご参考ください。

木と共生している土地や場所、探し方、気候など様々な要件をクリアしないと
トリュフを採取ができないので高価なんです。
黒トリュフは11月~3月末まで収穫でき、今年は質の良いものが良く取れるということです。
セミナーが行われたのが1月はシーズンの真っ最中で、素晴らしい黒トリュフを持ってきていただきました。
(で、でかい!)

講義中にトリュフを使った料理を試食してもらいました。
① まずはトリュフを使ったトースト。
バゲットを軽く焼いて、フランス産エシレバターとフルールドセル(塩の結晶)、
その上に大きくスライスした黒トリュフを!黒トリュフは生でもおいしいです。

② 次はフレッシュトリュフ入りスクランブルエッグ。
黒トリュフは少し温度を上げてあげることで香りが強くなります。
また卵と黒トリュフの相性はバッチグー・・・年齢がばれる(笑)。
辻調のインスタグラムにもアップしていますので見てくださいね。

③ 次はトリュフ入りカルボナーラ。
豚ほほ肉を塩漬けし、熟成させたグアンチャーレを香ばしく焼き、
卵とパルメザンチーズ、ペコリーノチーズで絡めちゃいます。その中に黒トリュフのペーストをたっぷり。
こんなの食べたことなーい!

④ 最後にフォワ・グラのポワレ、ソースペリグー じゃがいものピューレ添え
つけ合わせのじゃがいものピューレにエシレバターと黒トリュフペーストを入れて仕上げ、
ピューレの上にフォワ・グラのポワレを盛り付け、マデラ酒を使ったソースに
刻んだ黒トリュフが入った贅沢なソースをたっぷりと!これは最高の逸品です。

トリュフも自然の産物なので、虫がついたり環境が悪いと熟成が進みすぎたり腐っていたりしますが、
外観ではなかなか分からないのです。
なのでバイヤー(買い付け業者)たちはトリュフの端を切って中の状態を確認しているため、
輸入されるトリュフは端が少し切れているんですね。
また、密閉した容器に入れていると、トリュフから発せられる水分が容器内にたまり、
水滴がついて腐ってしまうので、保存方法も重要です。知らないことが多いですね。

最後には全員で記念写真。トリュフの魅力が分かった素晴らしい時間でした。皆さんも勉強になりましたか。
トリュフの味や香りを言葉で伝えるってホント難しい。
ぜひホンモノのトリュフの味、香りを体験してほしいです。



<プロフィール>
辻調理師専門学校 西洋料理
野口直樹
大阪府生まれの奈良育ち
今ドハマリしているのは、夏でも冬でもBBQ。
圧力鍋クッキングやダッチオーブンにもはまってます!