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辻調理師専門学校 調理

ブログ

「私たちは精進料理を学びます!」 ~日本料理だけを学ぶ辻調 ブログ17~

日本料理クリエイティブ経営学科

2022.12.01

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昨年4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエイティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。
この2つの学科では日本料理の会席料理を中心に学びます。
今回は日本料理クリエイティブ経営学科2年生の授業科目「日本食文化概論Ⅱ」の中で
精進料理について紹介します。 

手(パー)ハイ!先生質問です!なぜ精進料理を学ぶのですか?

みなさんはベジタリアンとかビーガンといった言葉をご存じですか?
海外の方は日本人以上に植物性の食材だけを使った料理に関心があり、
または宗教的な理由で食べられる食材に制限のある方など、
魚、肉など使った日本料理を食べたくても食べられない場合があります。
そこで基本的には魚、肉類など動物性の食材を使わない「精進料理」を学ぶことで
グローバルな対応ができることを目的としています。
クリエイティブ経営学科の学生は国内に限らず海外でも通用するような日本料理の知識と技術を学びます。

へーそうなんや。わかりました!



今回は山形県にある出羽三山神社、羽黒山参龍所「斎館」料理長の伊藤新吉先生をお招きしての授業です!
先生よろしくお願いします。


今回教えていただく料理は4品です。
向かって手前の左から干しわらびの煎り煮、その隣は胡麻豆腐、奥の左は擬製豆腐、なめこの味噌汁です。
伊藤先生からひと言「みなさん、精進料理と聞いてどのようなイメージを持ちますか?」
「よく聞くのは地味、暗い、茶色の野菜ばっかりの料理(笑)など明るいイメージはないのではないでしょうか」
今日みなさんにご指導する料理も暗いです(笑)


学生配布のプリントには料理4品に使う食材名、作り方が書かれています。


では授業をはじめます。1品目はなめこの味噌汁です!
これは山形県の山で採れた天然のなめこです!
普段みなさんが食べているなめこに比べて香りが強く粘りも強いのが特徴です。
そしてサイズもでかい!とても美味しいのですが見ての通り土や葉っぱがついて汚れています。
これを綺麗に掃除することが実は大変なのです。誰か一緒に洗ってくれますか!


手(パー)ハイ!ボク手伝います。ということで学生も一緒にきれいに掃除しま~す。


気持ちがいいほど綺麗になりましたわーい(嬉しい顔)ツヤツヤ


なめこの特徴はヌルヌルとしたヌメリ!
天然のなめこは特にヌメリが多いので味噌汁に仕立てるときは乾煎りしてヌメリと水分を適度に飛ばします!
バター炒めにしても美味しそう。


水分とヌメリを飛ばした後は昆布だしでしばらくグツグツ煮込みます。
精進料理だから、鰹だしは使わないぞ!ここでなめこのうま味と香りが「美味しいだし」となるのです。
あとは味噌を溶かして完成!


こんな感じでなめこの味噌汁を盛り付けました。


では全員試食をしましょう!「オッ!香りがいいね~」「適度なヌメリと味噌味がサイコー」


先生、なめこヤバイです!(笑)


次は胡麻豆腐を作ります。材料は練り胡麻、葛粉、片栗粉、水、酒を火にかけ練ります。
まずは生地が滑らかになるように泡だて器でスピーディにかき混ぜながら火を通します。


滑らかになった生地を次はこんな感じでしっかりと弾力をつけながら火を通し続けます!
動画を観てね、ペタペタしています。


胡麻豆腐は練り上がりの見極めが大事!
こんな感じになれば決定これも動画で確認してね!


練り上げた後は十分冷やすこと2時間経過!
容器から取り出すとほら!プルンプルンといった感じです。


今食べるのが一番美味しいということで切り分けて、
普通は醤油や天だしのような味付けした冷たいだしをつけて食べるのですが
今日は珍しい食べ方を紹介いただきます。



水に砂糖、醤油、酒を合わせてグツグツと煮立ったところに
片栗粉でとろ~りと、とろみをつけてこれを冷たい胡麻豆腐の上からたっぷりかけて完成!
冷たい上に熱々のだし?この温度差が美味しいのです。


授業も後半に差し掛かり次は「干しわらびの煎り煮」です。
今年の春に収穫されたわらびを乾燥させて保存されていたそうです。
それを水に漬けて戻したものです。
わらびは苦みが特徴ですが乾燥させることで苦みが穏やかになっています。


今回はわらびと一緒にずいきを乾燥させた「芋がら」を水で戻して煮ます。
ずいき?芋がら?って何ですか?
説明が長くなるので今日は省略しま~すがく〜(落胆した顔)ゴメン!
「なんか香ばしいけどこれを戻すとどんな香りになるのだろうか?」「触ると弾力あるね」


戻したずいき、芋がらは3~4㎝長さに切りそろえ、後は煮汁で甘辛く煮れば完成です。


はいこんな感じに仕上がりました。作り方は至って簡単だけど素材の良さが美味しさを左右します。
今日の素材はサイコーですよ。


干しわらび、芋がらは今まで食べたことのない学生がほとんどです。試食の感想は?
学生の顔を見ればわかりますねわーい(嬉しい顔)


最後の料理は「擬製豆腐」ですが伊藤先生、擬製とはどのような意味ですか?
いい質問ですね!型崩れした豆腐はそのままお客には提供できません。
ならばわざと形を崩してしまいその中に具材を入れるなどして再加工した豆腐と思ってください。
ではすり鉢に豆腐を入れてすりつぶします。ゴシゴシ


伊藤先生、今回は豆腐に何を混ぜますか?はい、自家製の牛蒡味噌を混ぜます。
味付けした牛蒡と味噌を一緒に練り込んだ食べる味噌です。このまま食べても勿論美味しいですよ。
私はいつも酒の肴にしています(笑)


味噌は固いので豆腐としっかり混ぜ合わせてください!
最後にすりおろした長芋を入れて粘りをだします!味付けは砂糖、味醂、醤油です。


生地ができれば四角い容器に流し入れます。伊藤先生こんな感じでいいですか!
いいですね。



あとは蒸し器で約10分蒸せば完成、食べやすいようにスプーンですくって器に盛り付けます。


ボクは今日試食した中で擬製豆腐が一番好きです!味噌と豆腐がとてもバランスいいです。


4品の料理を作り終えてここからは伊藤先生への質問タイム!
ボクも将来精進料理を扱う店をやりたいのですが、学校卒業後にやるべきことは何でしょうか? 
まずは日本料理の基礎をしっかりと学んでください!
普通日本料理は昆布と鰹のだし汁を使い食材も野菜と魚を主に使います。
その食材を美味しくする方法をまずは知り、
その応用として動物性の食材を使わない美味しい料理が作れる知識と技を鍛えてください! 
わかりました!ありがとうございます!
その後も学生からの質問は続きました。


最後は本日の授業内容をどれだけ理解できたかを「振り返りドリル」で確認します。
本日の授業では精進料理の作り方と並行して宿坊の精進料理について、精進料理を食べたい客の目的は何か?
また伊藤先生が料理長を務める宿坊には海外の方もたくさん来られるそうですが
海外の客の対応についてなど詳しく教えていただきました。
あっという間の180分の授業でした。伊藤先生、お疲れ様でした。

~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。