今回は２年制の１年生、Gクラスの店舗オペレーション実習をお届けします。

１年生のグループ実習は自分達で作った料理を自分達で食べる事が基本ですが、
今回は自分たちの作った料理を違うクラスの学生に食べてもらいます。

この実習の目的は、お客様に料理を提供する心構えを身に着け、手早く仕込みを行い、
提供時間に遅れない様に料理を出す段取りを考える事です。
では実習風景を見ていきましょう。

9：00授業が始まり音部先生より実習の流れや注意点についての発表があります。


一クラスを４班に分け、 料理の担当を決めます。


各班に分かれミーティングを開始！各自それぞれの仕事分担や段取りを話し合います。


ミーティングが終われば仕込み表の作成です。
メニューを見なくても料理が作れるようにしっかり作成しましょう。


細かくしっかりと書かれた仕込み表、いいですね～


いよいよ実習開始です。大きな声で「おはようございます～」と皆であいさつ！


各班で使用する材料を集めます。


２班ではトマトの生姜酢漬けの仕込みが始まりました。
フルーツトマトを熱湯につけて皮をむくのですが、
十字に切り込みを入れておくと皮がむきやすくなります。


熱湯に１0秒ほど浸けた後に氷水に落とすとご覧の通り綺麗に皮がむけます。


湯むきにしたフルーツトマトを生姜酢と一緒に真空パックにします。
真空にする事で短時間でもしっかり味が入ります。


こちらは鶏馬鈴薯巻き揚げの仕込みです。
じゃがいも（男爵芋）を桂むきにしています。
入学して半年、桂むきもだいぶ上手になってきましたね


一口大に切った鶏肉に薄塩をしています。
この鶏肉を芯にして大葉紫蘇とじゃがいもを巻きます。

材料がはがれない様にじゃがいもに小麦粉をまぶします。


鶏肉、大葉をじゃがいもで巻き爪楊枝で止めます。


綺麗に巻けましたね～　一人何個盛れますか？
料理を仕込む時は数もしっかり数え一人何個盛り付けられるかを考えましょう。
お店で料理を提供するうえではとても大切な事です。


こちらは玉子豆腐の仕込みです。
玉子生地は一度裏漉します。こうする事によって口当たりが滑らかになります。

玉子生地にす（卵の温度が上がり過ぎて気泡が入る事）が入らない様に
流し缶の周りに濡らした紙をはり生地を流します。


蒸し器に巻きすを敷き、流し缶をセットし、上から水滴が垂れない様に
巻きすとふきんをかぶせ蒸し上げます。
玉子豆腐は最初強火で表面に火を通し、
その後は弱火で、すが入らないようゆっくり蒸し上げます。
最初に強火で表面を固めないと卵が沈殿してしまい、いくら蒸しても固まりません。
そこが玉子豆腐の難しい所です。


綺麗に蒸し上がりましたね～　合格です！


ひじきご飯のひじきも炊き上がってきました。


お客さんを迎えるためにレストラン教室もサービス班が綺麗に掃除します。


レストラン教室も準備万端！さあ美味しい料理を提供しましょう。


お客さんが入室しました。料理を食べながらアンケートも記入してください。
食べる事も勉強！料理の味や温度、盛り付けが綺麗に出来ているかをチェックし記入してください。


最初の料理がサービスされています。サービスの方法もしっかり覚えてください。


フルーツトマトの生姜酢漬けと玉子豆腐の二品。
玉子豆腐の上にはあられに切った長芋ととんぶり（ほうき草の実）が乗っています。
美味しそうに仕上がっていますね。


実習室では次の料理がどんどん仕上がっています。
馬鈴薯巻き揚げは一度低温の油で鶏肉に火を通し、
もう一度170℃くらいの温度でじゃがいもをカリッと揚げます。
（この操作を二度揚げといいます）


馬鈴薯巻き揚げとひじきご飯。是非あつあつを召し上がってください！
この馬鈴薯巻き揚げは私が学生の時に食べた料理の中で
ベスト3に入るくらい美味しい料理です。
みなさんからも絶品との声が聞こえてきます！


提供が終わればサービス班が最後の挨拶をして終了です。
みなさん「美味しかったです！ごちそうさまでした」と満足していました。
　　　
お客さんに料理を出し、笑顔で「美味しかったよ」と声をかけてもらえる！
これは料理人冥利に尽きる瞬間だと思います。
料理人は人を幸せにできる素晴らしい職業です。
皆様もいかがですか！？(^_-)

～プロフィール～
辻調理師専門学校　日本料理担当
髙橋　康志

三度の飯より釣りが好き！
釣った魚を卸すのが楽しくて料理の世界に入りました。
日本料理クリエイティブ経営学科で頑張っている学生さんの授業風景を
ありのままに紹介して行きたいと思います。