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「ビョ~ン!プルンプルン、ポヨポヨしてる?なんだこの食感、今日の実習は和スイーツです!」日本料理だけを学ぶ辻調! 日本料理クリエイティブ経営学科のブログ1

日本料理
日本料理クリエイティブ経営学科

2024.04.24

昨年1年間、日本料理の基礎を学んだ日本料理クリエイティブ経営学科の学生は
この4月、2年生として進級しました。

1年生の最終学習目標は「松花堂弁当が作れるようになる」ことでしたが
2年生の最終学習目標は「会席料理の献立が立てられるようになる」ことと
「オリジナル会席料理が作れるようになる」ことです。会席料理の献立にはデザートも含まれます。
本格的なデザートの実習は2年生になってから始まります。今日はその1回目を紹介しますね!


和のデザートと言えばまず頭に浮かぶのは「餡」ではないでしょうか。
桜餅、葛餅、饅頭、羊羹など様々なお菓子に使いますよね。
ということで「みんなであんこを作るよ!」


今日はわらび餅も作ります。「作りたてはポヨポヨした絶妙な弾力と食感が味わえますよ!」


これ何かわかりますか?葛切りと言って「最速で簡単に仕上がるデザート」です。
簡単だけど弾力ある食感が超美味!わーい(嬉しい顔)


今日の授業担当は松島先生、全員集合!「最初に餡の作り方、ポイントを説明します!」


鍋に分量の水、砂糖をしっかり溶かして分量の半分の生餡を加えてしっかり混ぜます。
ここから完成するまで火加減は強火をキープ!


ポイントは鍋の中でいつも餡がボコボコと煮えかえって超アツアツの状態を混ぜます。
餡を炊き上げるときの火加減は、焦げない程度の強火にします。
豆に含まれるでんぷんは85℃以上に加熱すると、水分と糖分を吸って糊状態になります。
これをでんぷんのα化といいます!
豆のでんぷんをα化させると口当たりのよい滑らかな餡に仕上げられるのです。
弱火のまま、でんぷんをα化させない状態で炊き上げると水分が吸収されず、
ざらつきがあり、離水しやすく、日持ちが悪いあんになってしまいますよ! 

へーそーなんや!


超アツアツ状態をキープしながら練り上げた餡が完成です! 
木べらに張り付いて下に落ちない程度を目安とします!


餡は粒餡と漉し餡があるけど今日は黒と白の漉し餡を作るよ!


実習開始、全員で餡を作ります!
アツアツの餡が飛び散ると当然「熱い!」となるので手袋は必須!
そして白衣の袖をのばすことも忘れるなよ!


よ~し、強火で練るからツヤツヤの状態ですね!まもなく完成です。



練り上げた餡は冷ましてから掌でコロコロと1個15gの餡子玉に整えます。

今日はここまで✋ 明日の実習で「こなし」という和菓子作りに使います。
コレコレ!ご覧のとおり桜をイメージしています。この中に餡子玉が隠れていますよ。


は~い、もう一回集合! 
次はわらび餅の説明をするよ!

突然ですが、質問です「わらび餅の色は何色ですか?」白色?透明のある銀色?
昨日コンビニで買ったやつはグレーだった、デパ地下の和菓子屋は茶色していて1個400円もしていたよ!
答えは様々です。
色の違いは原料の違いによるものですね。実際に今日は3種類の違う原料を使いわらび餅を作ってみます!

写真手前から向こう側が「本わらび粉」
わらびの地下茎から取ったでんぷんが原料。高級です!
手前左側は「わらび餅粉」原料はレンコンのでんぷんと片栗粉を混ぜたもの、
右側は片栗粉100%です。果たして違いはあるのだろうか?


わらび餅は使う粉(でんぷん)によって色、弾力、味も変わりますが作り方のポイントは同じです。
練り始めるとすぐに強~い弾力と粘りがでてきます!そこからが勝負!
一気に焦がさないように力強く練り上げる事! 
では練ります!


わらび粉と水、砂糖を合わせて一気に強火で練ること約4分!
松島先生が鬼の形相ちっ(怒った顔)で練り上げたわらび餅、ビョ~ンとすごい弾力 
*練り上げる場面は顔が鬼の形相ちっ(怒った顔)の為カットしました(笑)


わらび餅は四角い容器に流し入れて冷やせば完成、食べ頃は冷えればすぐ!それが旨いわーい(嬉しい顔)


では学生諸君もやってみよう!
まずは3種類それぞれの粉と砂糖、水を混ぜ合わせます。
「分量、計り間違えるなよ!」計量は大事です。


火にかけてすぐに生地が硬く、重たくなってきます「ヤバッ!」「これはきつい!」
ここからが勝負、そろそろ笑顔が鬼の形相に変わるころですわーい(嬉しい顔)ちっ(怒った顔)


こちらの学生も「ヤバッ焦げそう!」想像以上の硬い弾力!


練り始めて約5分後!
ビョ~ン×2 これは絶対うまい!わーい(嬉しい顔)


先生手(パー) チエックお願いします。よし!
わらび餅を触って指にくっつかなければ決定



容器に移してすぐ氷水にジャボンと漬け込み急冷します。


完全に冷えて容器から取り出せば、こんな感じです。
向かって左から本わらび粉、わらび餅粉、片栗粉で作ったわらび餅です。
どれも宝石のように輝きぴかぴか(新しい)美味しそうではないか。



美味しい状態で食べたい!さっそく仕上げていきましょう。
わらび餅と言えば、きな粉ですね!全体にまぶして、まぶして・・・・



次は食べやすい大きさにカット、カット、きな粉を全体にまぶして、まぶして完成!


美味しく見せるには盛り付けも重要!バランスよく盛り付けてよ!



3種類のわらび餅を食べ比べます。黒蜜をかけて美味しさ倍増わーい(嬉しい顔)わーい(嬉しい顔)
どれが美味しい? 
1番人気は本わらび粉、風味と弾力と柔らかさが絶妙との意見が多数あり!
2番人気は片栗粉を使ったものでした。
3種の中で香りは少ないが一番弾力があり硬い!それが良いとの意見が多くありました。
普段コンビニで買って食べているわらび餅は片栗粉を使ったものとよく似ていると学生は言っておりました。
どれが一番良いということではなく好みですね!


最後は葛切りです。
分量の葛粉、水を混ぜ合わせます。
ここから先は実際に動画を観てください。とても簡単ですよ。


ポイントは四角い容器に生地を薄く入れて湯の上で揺らしながら生地に火を通していきます。
生地が動かなくなれば一気にドボンと容器全体を湯につけます。
全体が透明になればすぐ氷水にドボンとつけて生地を剥がします。以上で~す。


食べるときは黒蜜をかけて箸で食べます。わらび餅とは違う弾力と触感が癖になります。
これも作り置きはダメ×、透明感がなくなり弾力も減り硬くなります。
すぐに食べるから美味しいのです。
食べた感想はどう?
「葛切りに誘惑されました」
お疲れ様でした。

~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川健 

香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。