FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

Les Terreaux テロー地区案内

フランス校日記

2021.01.21

Bonjour, フランス校教務部です。
前回の「フランス校日記」では、フルヴィエールの丘とリヨン旧市街をご案内しましたが、今回は、その旧市街の北端に位置するサン=ポール地区のソーヌ川対岸辺りから、フルヴィエールの丘と対を成すクロワ・ルッスの丘を背にして、ローヌ河岸まで広がる、テロー地区をご案内します。

リヨン1区に含まれるテロー地区ですが、その核を成すのはPlace des Terreauxプラス・デ・テロー(テロー広場)で、リヨンの政治、経済の中心が、旧市街から、ローヌ川とソーヌ川に挟まれた半島部に移行した17世紀に建造されました。

テロー地区の魅力を成しているのは、歴史的建造物や文化芸術施設、通りに軒を連ねる個性的なお店や飲食店等ですが、それらの多くがこのテロー広場に面していたり、広場周辺に集まっていますので、観光の際はテロー広場を起点とすると良いでしょう。
では早速、写真を見ながらテロー地区をご紹介したいと思います。

Hôtel de ville de Lyon リヨン市役所
テロー広場の東に面して建つリヨンを代表する建造物の一つです。
設計はリヨンの建築家であるSimon Maupinシモン・モーパン。1646年~1672年の建造物です。
1674年と1804年の2度に渡って火災に遭いましたが、修復の後、1886年に歴史的建造物に認定されました。
バロック様式の豪華絢爛な装飾が施されている建物内は、観光案内所のガイドツアーで訪れることができます。
約1時間30分のツアーで、料金は8歳以上が6ユーロ、7歳以下は無料です。

Musée des Beaux-Arts de Lyon リヨン美術館
テロー広場の南に面する17世紀建造の修道院を改装して美術館となっています。
かつては美術学校が入っていましたが、1803年から一般に公開され始め、1998年にリヨン美術館として全面リニューアルされました。
「古代」「美術品と彫刻」「メダル」「19世紀から20世紀の彫刻」「絵画」の5部門から成るコレクションは、質、量共にヨーロッパ随一のもので一見に値します。
また、建物内には美しい中庭があり、隣接するカフェは、日差しを避けてくつろぐ人々で賑わっています。
入場料は8ユーロで、18歳以下は無料です。

Opéra de Lyon リヨンオペラ座
世界的にも評価の高いリヨン国立オペラ団及びバレー団の本拠地で、リヨン市役所の南隣、Place de la comédieコメディー広場にあります。
建造は1831年ですが、1993年にモダン建築の巨匠Jean Nouvelジャン・ヌーヴェルによって全面改装されました。
建物内には上演スペースの他に、カフェやレストランもあり、最上階からはリヨンの美しい街並みを展望することができます。
8歳以上であれば約1時間30分のガイド付きツアーに参加可能ですが、計17階を徒歩で巡るので健脚が必要です。
料金はツアー内容によって異なるので、詳しくはオペラ座ホームページを参照してください。

L'église Saint-Nizier サン=ニジエ教会
テロー広場から北へ約350m、徒歩4分の所にある、リヨンのみならずフランスでも最も古い教会の一つ。
サン=ニジエ教会が初めて文献に記載されるのは5世紀のことですが、その歴史はフランスにキリスト教が入ってきた2世紀まで遡ることができるとのこと。
今日、サン=ニジエ教会は、ゴシック・フランボワイヤン様式建築の傑作として知られていますが、建造が14世紀初頭から16世紀末の3世紀に渡ったため、実際には、ゴシック・フランボワイヤン様式、ゴシック様式、ルネッサンス様式と言った様々な建築様式が取り込まれています。


Fresque des Lyonnais リヨンの著名人が描かれた騙し絵の壁画
だまし絵とは、目の錯覚を利用して立体的に見えるフレスコ画のこと。
リヨンでは約30年前から、リヨン在住アーティストの協同組合であるCitéCréationシテ・クレアスィヨンが制作を続けています。
Fresque des Lyonnaisはテロー広場から徒歩7分、ソーヌ川沿いのQuai Saint-Vincentサン=ヴァンサン河岸にあるリヨンを代表する騙し絵の一つです。
作家のサン=テグジュペリ、映画の始祖であるリュミエール兄弟、ポール・ボキューズ等、リヨンの著名人30名が描かれています。

テロー地区には多くの飲食店がありますが、その中から代表的な3店舗をご紹介します。

「Léon de Lyonレオン・ドゥ・リヨン」は1903年創業の老舗レストランで、かつてはミシュランガイド二つ星を長年に渡り保持していたリヨン屈指の名店です。
現在は敷居を下げてブラッスリーとなっていますが、洗練されたクラシックな料理を味わうことができます。

「Le Nordル・ノール」は、リヨン市内に展開するボキューズグループのビストロ第1号店。
ボキューズグループのビストロは店ごとに異なったコンセプトがありますが、「ル・ノール」では、王道的なビストロ料理やリヨンの伝統料理を味わうことができます。

「Mére Brazierメール・ブラジエ」は、今日のリヨンを代表するミシュランガイド二つ星の高級レストラン。
リヨンではかつて、人々から親しみを込めて「メール(お母さん、叔母さん)」と呼ばれた多くの優秀な女性料理人がレストランを経営していました。
「メール・ブラジエ」はその中でも伝説的なレストランで、若き日のポール・ボキューズが修行していたことでも知られています。
現在は実力派シェフのマチュー・ヴィアネが買い取り、メールの料理のエスプリを継承しながら、洗練された高級料理を提供しています。