FRANCE

辻調グループ フランス校

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調理外来講習 La Table d' Olivier Nasti(ラターブル オリヴィエ ナスティ)/M.Olivier Nasti(オリヴィエ ナスティ氏)

フランス校教壇から

2019.03.22

今回お越しいただいたナスティ氏は、アルザス地方コルマール近郊カイゼルスベルグにある二つ星レストランでシェフをされています。2005年にミシュラン一つ星、2014年に二つ星を獲得しました。そして2017年には世界25か国にまたがるレストラン協会Les Grandes Tables du Mondeによって素晴らしいレストランと認められました。
また2007年にはM.O.F.を受章。この年は570名の受験者がいながら9名しか合格者が出なかった難関の年と素晴らしい経歴をお持ちです。

今回はアルザス地方の代表的な川魚や、フォアグラなどの食材を使った料理、ナスティシェフが得意とするジビエ料理5品をご紹介いただきました。

Anguille fumée, mini-poireaux et poireau en gelée
燻製にした塩でうなぎをマリネし、帯状にカットします。パセリの香草を加えたカワカマスをウナギのマリネに挟み、低温でしっとりと火を通した後仕上げにオレンジジュースを加えた鶏のジュを表面に塗り、サラマンドルで焼き上げました。ポロねぎの緑色の部分で作ったピュレの甘い味とオレンジのジェルがアクセントになった一品です。

Neige de foie gras d'Oie, crémeux Berawecka, balsamique et Tome D'Alsace
ベラベッカとは、ドライフルーツと香辛料が入ったアルザス特有のクリスマス菓子です。ガチョウのフォアグラのムースとピスタチオ、へーゼルナッツ、アーモンドのキャラメリゼを重ね、その上に冷凍のフォアグラ、アルザスのトムチーズ、バルサミコのゼリーをすりおろして、雪のように仕立てます。鴨と比べると優しい味わいのあるガチョウのフォアグラと、キャラメリゼしたナッツ、スパイスとドライフルーツの甘みがアルザスのクリスマスをイメージさせます。

Omble chevalier cuit à la cire d'abeille
オンブル・シュヴァリエという川魚を1人前にカットし、スチームモードで火を通して皮をはぎます。そして木製の型の中に入れて上から温めた蜜蝋をかけてゆっくりと火を通します。その型ごと客席に持っていくという演出。

付け合わせのアーモンドのピュレ、蜂蜜とモミの木の香りをつけたオイルで作ったドレッシングをサイフォンにかけて、軽い仕上がりにしました。

Le pigeonneau de nid de la ferme Théo Kieffer, rôti, En Salmi et jus de quetsches en fermentations
鳩はモモ肉と胸肉に分けます。モモ肉はやわらかく火を通し、胸肉はスチームモードであらかじめ火を通してから、表面にポマード状のバターを塗って、バーナーで焼き色をつけます。オーブンに入れてきれいなロゼ色に仕上げます。
ソースは「サルミ」と言って、ローストにした後に出てきたガラを使って作った汁に、内臓や血を加えて仕上げる、クラシックなソース。付け合わせはクエッチと言うプラムの一種のピュレ、根セロリのピクルスとポム・スフレです。

Coque meringuée
ココアパウダーでメレンゲのケースを覆い、スプーンで軽く叩くと、中からバニラのアイスクリーム、チョコレートのムース、キャラメルのソース、誰からも好まれる組み合わせが流れ出てきます。チョコレートムースはチョコレートベースのソース・アングレーズをサイフォンにかけた軽めの仕上がりで、濃厚なバニラのアイスクリームとの組み合わせがバランスよく出されていました。

今回担当した調理研究生は
左から 中北若葉さん、長井亜茉寧さん、松村仁嗣さんでした。