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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Patrick HENRIROUX(パトリック・アンリルー氏)/Restaurant LA PYRAMIDE(ラ・ピラミッド)

フランス校教壇から

2016.07.04

今回の外来講師は、レストラン「レストラン・ラ・ピラミッド」のシェフ、パトリック・アンリルー氏です。

このレストランはリヨンから70kmほど南に下ったところにあるVienne(ヴィエンヌ)という街にあり、「フランス料理を勉強している人なら誰でも知っている」といっても過言ではないくらい有名な老舗レストランです。フランス料理の巨匠フェルナン・ポワン氏が腕を振るい、氏が亡くなった後もマダム・ポワンが店の看板を守り続けていました。
1986年にマダムが逝去した後、衰退・閉店の危機にあったレストランを、1989年に当時から天才料理人と評判だったアンリルー氏が弱冠31歳でシェフに就任し、翌年には1つ星、1992年には2ツ星を獲得しました。
アンリルー氏は今もフランス料理のメソッドを大切にしつつ、マダム・ポワンから引き継いだという「レストランの現代風改革」の姿勢を守り続けています。


料理のことについて語るアンリルー氏

講習中にアンリルー氏は、
「地元で作られた有機栽培の食材やレストランの庭で栽培された食材を使い、その食材を生かした、食材自体の味がする料理を作る。」と言われていました。また、ラ・ピラミッドの料理は、もちろん味が一番ですが、
目で見る  couleur(クルール) 色彩
鼻で感じる odeur(オドゥール) 香り
口で感じる saveur(サヴゥール)風味
を大切にしているとも言われていました。そして、
「新しい料理を考えた時は、スタッフにも食べてもらい、みんなの意見を取り入れ、よりよくしていく」。
とも言われ、これからムニュスペショーを考える学生にとっては、料理の考え方、作業の目的など、調理作業のノウハウを再確認できたと思います。

☆今回披露していただいた料理2品

COUTEAUX JUMBO ET REMOULADE DE CHOU FLEUR AU CURRY VERT,
GELEE DE POMMES GRANNY SMITH
貝類、カリフラワーなど食感が異なる食材をマヨネーズでまとめ、グリーンカレーの香りや辛み、ザクロの実の食感、グラニースミス(青リンゴの一種)のジュレ、シトロン・キャビアの酸味でまとめた清涼感ある一品です。


TURBOT DE LIGNE SUR UN RISOTTO DE PUNTALETTES AU SAFRAN ET PARMESAN,
HUILE FRUITEE AU CITRON ET A LA TOMATE
塩漬したあと薄く切、花ビラ状の組んだチュルボは、サラマンドルで加熱しています。
米状のパスタで作ったリゾットを添え、肉の旨みをが入ったトマト入りのドレッシングで味をつけ、食感のよいイカ墨入りじゃがいもの入ったチュイルを添えた一品です。


作業の手伝いをする磯野君


シェフを囲んで、助手を務めた柏原 章広君(左)と磯野 翼君(右)。