FRANCE

辻調グループ フランス校

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調理外来講習M. Jacques MARCON(ジャック・マルコン氏)/Régis et Jacques MARCON(レジス・エ・ジャックマルコン)

フランス校教壇から

2022.06.21

今日の外来講習は「レジス エ ジャック マルコン」からジャック・マルコン氏にお越しいただきました。


リヨンから車で1時間半ほどのSaint-Bonnet le froid (サン・ボネ・ル・フロワ)という村にあるミシュランガイド3つ星レストランです。
講習に来ていただいたジャック氏は、現在同店の統括シェフとしてレストランを運営されています。
彼は若き日、レクレール校で研修をしていた事もあり、フランス校にも大変思い入れがあるそうです。また、パリのランブロワジーというレストランでも研修をされていました。
店名にも入っているレジス氏は、ジャック氏の父親で1995年ボキューズ・ドールの優勝者です。
多くのきのこ料理を生み出す事で「きのこの魔術師」とも呼ばれ、その他にもレンズ豆など土地の食材を用いた独自の料理を作られています。
2005年に村の中心にあったお店から、少し離れた丘の上に移転し、同年ミシュランガイドブックで3つ星を獲得されました。
店内の一面のガラス窓から見えるパノラマは壮大な自然を映し出し、お店のシンボルでもあるセップ茸や、レストランの周り一帯で取られる香草を料理の食材としてイメージするにはこの上ない立地となっています。

今回は現在スタージュ中の研修生と共に来校いただき、魚料理を2品作っていただきました。

Truite,verveine et petits pois

レシピ名ではマスと表記されていますが、今回はオンブルシュバリエというフランスで珍重される淡水魚を調理していただきました。
オンブルシュバリエはバターでゆっくりと慎重に火を通し、皮を剥ぎます。皮はジャガイモの細切りをフライにしたものを巻いて食感を持たせています。
付け合わせは、オンブルシュバリエの骨からとっただし汁のジュレ、玉ねぎのみじん切りをバターでゆっくりと加熱したもののピュレ、リュバーブのコンフィ、プティポワフランセーズというフランスの伝統的な付け合わせをアレンジしたものになります。
ソースは、エシャロットのみじん切り、リンゴ酢、白ワイン、レモンバーベナを煮詰めた液体にバターを溶かしこみ乳化させたものになります。

一皿の中での酸味、甘味、バターの風味、色味などのバランスをどう考えて調理をするかというシェフのエスプリを聞き、学生も興味を持って質問をしていました。

Cassoulet homard

肉類やソーセージと豆類を煮込んだカスレというフランスの伝統料理があります。
それをオマールとレンズ豆を用いて作った、レストランのスペシャリテを作っていただきました。
オマールを茹で、尾の身の間に豚肉とセップというレストランの象徴にもなっているきのこを使ったソーセージを挟みます。
ソースはオマールの頭の部分を使って作りました。
レンズ豆は茹でて火を通し、そのゆで汁は煮詰めて茹でたレンズ豆にからめています。

カスレという伝統料理の構成を外さずに仕上げた一品です。
オマールの盛り付けを間近で見る研究生

現在の研究生は初の3つ星レストランのシェフの講習とあり、様々な質問をしていました。

講習終了後にアシスタントを担当した研究生とシェフで揃って記念撮影。(撮影のためにマスクを外してもらいました)