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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Mathieu BARBET (マチュー・バルベ氏)/Chateau de codignat(シャトー ド コディニャ)

フランス校教壇から

2015.05.29

先週に続き、調理2回目の外来講習になります。

  
今回はエスコフィエ校から車で1時間30分、クレルモン・フェランの近くにある5つ星のシャトーホテル・レストラン「シャトー ド ゴディニャ」からマチュー・バルベシェフに来ていただきました。
12世紀のシャトーを改装したホテル・レストランは、歴史ある調度品をそろえたシャトー内の宿泊施設だけではなく、別棟での宿泊施設もあり、プールやテニス場もあるホテルです。
バルベシェフは、コアールシェフとともにM.O.F.(フランス最優秀職人賞)の地方試験の試験監督を務められ、まさにこの地方を代表するシェフの一人になります。
バルベシェフは、料理を考える時には、季節の食材の組み合わせを第一に考えるそうです。
確かに、食べ歩きでレストランに訪れた際にも、地元オーベルニュ地方の食材を多く使った料理が出されていました。

  

☆今回披露いただいた料理2品

  



la truite juste marinee en millefeuille de caille de chevre, Blinis a la lentille
夏のオードブルをイメージした1皿です。

  

マスは皮をとり、薄切りにします。
その後、シードル(リンゴのお酒)からつくった酢とノワゼット油で作ったドレッシングでマリネします。

  

山羊から作ったフレッシュチーズにノワゼット、ノワゼット油、香草などを加えクリームを作ります。
山羊のフレッシュチーズには酸味があり、この酸味がマスと相性が良いそうです。
この2つを使い、ミルフィーユのような層を重ねた仕上がりにします。

  

付け合せには、歯ごたえを生かした野菜とブリニスを用意します。
野菜は薄切りやせん切り、小さい房にしたり、丸く抜いたりして、色、見た目も楽しめるようにしています。

ブリニス(パンケーキ)には、地元産のレンズ豆の粉を使って作ります。

  

  
生地に加える卵白がきれいに泡立ち、シェフに褒められた坂東君。

  

  

le magret de Canard enroule de Poitrine fumee, pommes roties et legumes glaces
鴨の胸肉にりんごや蜂蜜の甘味と酢や生のりんごの酸味を合わせた一品です。

  

皮や筋を取り除いた鴨の胸肉を縦半分に切ります。
太さを合わせるように縦に並べ、薄切りにした豚胸肉の燻製で巻き、さらにラップフィルムで筒状にします。
出来上がりはソーセージみたいです。
火通しは55℃の蒸気で蒸します。
最後に、オリーブ油で表面を焼き、きれいな焼き色を付けて仕上げます。
このように2段階に分けて火を通すことで、
肉全体が中心部分までしっとりと火が通り、しかも表面も香ばしく仕上がります。
完璧な火通しでした。

  

 

  

付けあわせは、2種類のりんごと野菜のグラッセです。
りんごは、砂糖を使ってカラメルを作り、酢を加えて火を通します。りんごの甘味に酸味を加えてバランスを取ります。
もう1種類のりんごは酸味のある品種を使い、生で棒状に切って使います。

  

ダイコンは三角形、にんじんは棒状に切ります。
それぞれ別々に、砂糖、バター、水を加えグラッセという調理法でツヤのある状態に火を通します。

ソースは、コクのある肉のジュに、蜂蜜の甘味とシードルからつくった酢の酸味を合わせて仕上げます。

  

  


シェフを囲んで、助手を務めた板東侑君(左)と福世 龍弥(右)