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調理外来講習M. Romuald FASSENET(ロミュアルド・ファスネ氏)/Château du Mont Joly(シャトー・デュ・モン・ジョリー)

フランス校教壇から

2021.12.16

今回の講習はフランシュ=コンテ地方のホテルレストラン「シャトー・デュ・モン・ジョリー」のシェフ、ロミュアルド・ファスネ氏が講師を務めてくださいました。


ファスネ氏はパリの「トゥール・ダルジャン」やアメリカ、ドイツなどでレストラン勤務を経験し、2004年にM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を受章。2007年に現在のシャトーレストランを開店、土地の食材を用いた料理、イベントなどにも積極的に参加し、地元の貢献度が高く評価されています。冬季に営業するサボワ地方のレストランLes Explorateurs(レ・ゼクスプロラトゥール)への技術協力もしています。

ファスネ氏は2009年、2011年、2013年のボキューズ・ドール大会で日本代表のコーチを務められ、2013年には日本代表最高位の3位という快挙に大きく貢献しました。2019年の大会ではフランス代表のコーチも務められました。

今回の講習では今が旬であるホタテを使っての三皿を披露してくれました。

一皿目
ホタテのカルパッチョ

セロリ、ニンジン、エシャロットを煮詰めたものでホタテの薄切りを上下に挟むようにデコレーションしたもの。野菜を煮詰めるためにはゆっくりと時間をかけます。上部をキャビアで飾り、お皿はエストランゴンソースとマヨネーズで模様付けをしました。やわらかいホタテと煮詰めた野菜に薄っすら残った歯ごたえを一緒に楽しみます。

二皿目
ホタテのポワレとカリフラワーのデクリネゾン

こちらも今の季節の野菜である、カリフラワーのピューレ、火を通したもの、生をおろしたものと、フライパンで焼き目を付けたホタテを共に載せました。付け合わせはホタテ貝のヒモから取った出汁とマテ貝、コック(ザル貝)、カキで作った豪華なソースです。

三皿目
アンディーヴのタタン風とホタテのポワレ

アンディーヴをオレンジの果汁とバターで煮込み、香りを付けます。その後バターで色付けしたものを型に入れ、ホタテのポワレを上に飾り、煮込み用に使用したオレンジソースをかけたものです。オレンジの香りが食欲をそそります。

付け合わせには火通しをじっくり行ったものを使いながら、主役のホタテの素材の味を活かした三皿となりました。ファスネ氏には料理をする際に大切にすることはたくさんあるようですが、季節の食材を使い、そこにテクニックを合わせバランスの取れた料理を作ること、複雑でなくわかりやすい料理を作ることを特に大切にしているとお話されていました。


ファスネシェフとアシスタントを務めた研究生