【フォアグラについての全てを学びます】M.Olivier BONI(オリヴィエ・ボニ氏) ROUGIÉ社(ルージエ)
今期初めての調理外来講習は、フランス国内でのフォワ・グラのトップメーカーであるROUGIÉルージエ社からM.Olivier BONIオリヴィエ・ボニ氏を講師としてお招きし、1日を通してフォワ・グラについて詳しく説明していただきました。
ルージエ社はワインで有名なボルドーやトリュフで有名なペリゴールに近いDordogne(ドルドーニュ)県にあるフォワ・グラを専門に扱う会社で、「Ecole du Foie Gras(エコール・デュ・フォワ・グラ)」というフォワ・グラについて学ぶ研修・研究施設を開校しています。辻調の東京校、大阪校はもちろん、日本のレストランでも幅広く使用されています。
講習ではまず始めに、ルージエ社の製品である『escalope de foie gras』(エスカロップ・ドゥ・フォワ・グラ)と呼ばれる薄切りにされたフォワ・グラとスモークサーモンを組み合わせて作るテリーヌを作っていただきました。ガスバーナーで炙ったフォワ・グラと薄切りにしたスモークサーモンをきれいな層になるように、型に交互に重ねていきます。
真空パックにした後に、70℃のスチームコンベクションオーブンに入れ、蒸気で火を通します。
続いて、フォワ・グラの血管の取り除き方を見せていただきました。この後の実習で同じように作業をしていくので、研究生もボニ氏のテクニックを学ぼうと、みんな食い入るように見ています。
次に、フォワ・グラの歴史や製造方法、国別の消費量といった基礎知識を学びました。
その後は、フォワ・グラの食べ比べです。今回は、ルージエ社の5種類の製品を準備していただきました。
①FOIE GRAS DE CANARD ENTIER MI-CUIT (カモ×低温)
②FOIE GRAS D'OIE ENTIER MI-CUIT (ガチョウ×低温)
③BLOC DE FOIE GRAS DE CANARD MI-CUIT (カモ×低温)
④FOIE GRAS DE CANARD ENTIER CONSERVE (カモ×高温)
⑤FOIE GRAS D'OIE ENTIER CONSERVE (ガチョウ×高温)
MI-CUITは長期保存には向きませんが、フォワ・グラをよりおいしく食べるために低温で加熱したものです。
CONSERVEは長期保存出来るように、瓶詰めしてから高温で加熱しています。また、丸のままのフォワ・グラで作ったENTIER(アンチエ)タイプと、カットした後の色々な大きさのフォワ・グラで作ったBLOC(ブロック)タイプもあり、食感や味、香りなどを比較することが出来ました。それぞれの特徴を知ることで料理を作る際の選択の幅が広がるので、研究生にとって良い経験になったと思います。
午後からはハンズオン形式でフォワ・グラの下処理と、フォワ・グラを使用した料理を各エキップで作りました。
Alliance de foie gras de canard et ventrêche de saumon fumé à la pomme de pin
Œuf poché et son escalope de foie gras à la bourguignonne
L'escalope de foie gras de canard poêlée aux fraises gariguette et son beignet de fleurs d'acacias
Magret de canard farci aux foie gras sauce morilles, crêpes vonnassiennes
研究生も普段何気なく使っていた食材の1つだったかもしれませんが、フランス料理を勉強していく上でフォワ・グラは切り離せない食材です。1日を通してフォワ・グラにスポットを当てて学んでいくことで、向き合い方も少し変わるのではないでしょうか。今日勉強したことを忘れず、これからの料理人人生に活かしていってほしいと思います。
最後に、ルージエ社のタブリエをプレゼントしていただき、記念撮影を行いました!