FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

M.Romuald FASSENET(ロミュアル・ファスネ氏)/Château du Mont Joly (シャトー デュ モン ジョリー)

フランス校教壇から

2018.07.18

講師紹介
今回の講習は、フランシュ=コンテ地方のホテルレストラン「シャトー デュ モン ジョリー」からシェフのロミュアル・ファスネ氏と研修生の谷口ちひろさんにお越しいただきました。
パリのトゥール・ダルジャンやアメリカ、ドイツなどでレストラン勤務を経験し、2004年にM.O.F(フランス国家最優秀職人章)を受章。2007年に現在のシャトーを購入し、土地の食材を用いた料理、イベントなどにも積極的に参加し、地元の貢献度が高く評価されています。店内は30席ほどの小さな店ですが、ガラス張りの客席からホテルのプール越しに広大なパノラマをのぞむことができます。特に初夏から夏にかけてテラスで食事をするなど心地よい時間を過ごす事ができるレストランです。また、ファスネ氏は2009年、2011年、2013年のボキューズ・ドール大会で日本代表のコーチを務められ、2013年には日本代表最高位3位という快挙に大きく貢献しました。2019年の大会はフランス代表のコーチが決まっており、ことし6月に行なわれたヨーロッパ大会でも活躍されていました。

Omble chevalier, beurré de navets et jeunes pousses,Vinaigrette de pain d'épice
エシャロットと黄ワインを煮詰めてバターを加えた「合わせバター」をバットに塗り、オンブル・シュヴァリエ(鮭科の淡水魚)をオーブンでさっと火を通した後、皮をはぎ、中心までゆっくりと過熱してしっとりとした仕上がりにします。本来は、バットにバターを塗り、エシャロット、黄ワインを流しオーブンで火を通す昔ながらの調理法があります。しかしその方法ではエシャロットに完全に火が入らず、黄ワインもアルコール分が残ってしまうので、合わせバターを使う事によってそれらの問題を解消したオリジナルの調理法です。
付け合わせ:カブを牛乳の中でさっと火を通し、粗く刻んだヘーゼルナッツ、バターで炒めたホウレン草を加えた3種の異なる食感を味わえるものです。
ソース:バルサミコ酢とシェリー酒酢を煮詰め、へーゼルナッツオイル、オリーブオイル、グレープシードオイルを加え、仕上げに「パン・デピス」で使用する数種類の香辛料を加えたドレッシング。あらかじめ酢を煮詰める事で素材と良く絡み、しっかりと味わえるのだそうです。

Langoustines royales en carpaccio, marinées aux agrumes et gingembre, salade de pinces et pamplemousse
ラングスティーヌ(手長海老のカルパッチョ)の一皿エシャロット、生姜、オレンジ、グレープフルーツ、ライムの皮のみじん切りに柑橘系のジュースを加え、煮詰めたマリナードをラングスティーヌの上下に塗り、上から香草、キャビアをのせました。生姜や柑橘系の風味がラングスティーヌの甘みを引き立てます。周りにはラングスティーヌの殻で取ったソースと、そのコライユをそれぞれマヨネーズと合わせたものをポイントに絞っています。

最後にシェフとアシスタントの写真撮影。
左から中村吉輝さん、研修生の谷口ちひろさん、高橋和大さん、等々力竜輝さん