OSAKA

辻製菓専門学校

ブログ

何が変わった?

洋菓子
製菓技術マネジメント学科
製菓衛生師本科

2022.01.14

皆さん、あけましておめでとうございます。
今年も、辻調ブログをよろしくお願いします。

年末からの寒波で、暖房を点けていないと室内でも手がかじかんでしまうほど。
春はまだ先のようです。

辻製菓専門学校の学生はというと、冬休みも明け、すでに授業に入っています。
新年を迎えたばかりですが、学生にとって学校生活も残り一か月、
授業内容も最後の総まとめ、の段階に入っていきます。
今回は、そんな彼らのお話です。

辻製菓専門学校に通う学生にこの質問をすると、おそらく正解率100%ではないでしょうか。
【洋菓子店にとって一年で一番忙しい時期は?】
まあ、間違いなく【クリスマス】と答えてくれるでしょう。
学生でなくとも、社会人であれば想像はたやすいのではないかと。
世間一般の方と違うのは、彼らの答えの中には、【実体験を伴ったものがある】ということです。

就職が決定している学生の多くは、冬休み中にやることがあり、
それは就職先での研修を兼ねた、クリスマス経験ということになります。
学生の立場で、この一大イベントを語ってもらうと、
【すっごい憂鬱】、【もうずーっと、冬休みの予定は研修で埋まってるww】 
というややネガティブワードから、
【就職先のアルバイトに入っていて、事前に職場の先輩たちからいろいろ教えてもらっている】、
【ナペ(=ケーキにクリームをコーティングする動作)することになっているから、放課後練習で必死なんです!】 
と前向きな発言の学生など、思いは様々です。
憂鬱と答えた学生も、実際はまじめな学生ですから、自分がなすべきことに向き合った結果の発言なのです。

いずれにしろ、学生にとっては、クリスマスとは、もはや楽しむ側から、
提供する側に意識が変わってきていますね。

何人かに、聞いてみました。
【クリスマス研修での仕事、どうでしたか?】

学生Aさん
【ケーキの上の仕上げ、ひたすらぶっ続けでやりました。】
学生Bさん
【忙しすぎて、職場のみんなテンション上がりすぎてたけど、何とか終わりました!】
【けど、終わったと思ったらすぐに、ガレットデロワ(フランスで1月6日に食べるパイ菓子)の仕込みに突入~】
学生Cさん
【冬休み前、放課後練習でナペやっておいてよかった! けど、もっとうまくなりたいと本気で思った!】
学生Dさん
【ウルトラ〇〇トダウンって、すごく偉大なんだと分かりました。】 
→どうやらこの学生は屋外でのケーキの搬入作業が印象に残ったようです笑
そしてCさん、努力したことと、経験したことの結果。加えてその先が見えてよかったですね。

この研修を終えた学生に、冒頭の【洋菓子店にとって一年で一番忙しい時期は?】と同じ質問をしても、
やはり同じ答えが返ってくるでしょう。
しかしながら、知識から想像した答えと、自己の体験による実情を伴った答えとでは、
言葉の重みがまるで違うのです。
クリスマスシーズンの研修をした学生は、きっと職場に入っても、仕事を続けことができるでしょう。
だって、1年で一番忙しい時期を経験したのですから。

さあ、その学生は、本日の実習【シュー生地と折り込みパイ生地の仕込み】にどう取り組むのでしょう。

シュー生地を作るときは、【しっかりと生地に熱を加え、小麦粉の性質を変化させなければならない。】
このポイントは、全ての学生がすでに知識として持っていて、実習での経験によって裏付けされたことでもあります。
今までであれば、シュー生地を正確に作ることができるようになった次は、
生地を正確かつ手早く絞ることが目標になっていました。

しかし、就職先での研修をくぐり抜けてきた学生は、
①シュー生地を正確に作り、手早く同じ大きさに絞る、ということに最大限の努力をはらう、ということは当たり前。
加えて、
②生地を絞る前に、自分の作業する場所に必要ないものがあれば片づける。
③絞り終えたら、他の学生と相互チェックし、大きさの違うものがあれば、焼成に影響のない範囲か判断し、絞り直す。
④生地をオーブンに入れたら、作業場所を清潔にし、次の作業ができる状態にする。その合間で洗い物をし、次の計量。

②③④が出来るのですが、特に③です。
自分の絞ったもののうち、大きさが違うものがあれば絞り直すのですが、
と同時に他の学生分もチェックし、違いがあれば、分かる言葉でそれを伝え、修正してもらう。
当たり前のようですが、実際にはなかなか難しいことです。
なぜなら、まず学生同士ですから、先輩後輩の関係性でもない。
そして、人に指摘できるほど自分が完ぺきではないことを自分自身で知っている。
でも、今までの学生と違ったことは③を【やり切る。】
つまり、【作るものへの責任】ではないでしょうか。

就職してからの最初の壁の一つは、【店に出せないものを作ったら、処分される】という経験です。
これは、たくさんの卒業生から苦い過去としてお聞きすることです。
材料を無駄にすることが、どんなにダメなことか嫌というほど知っている。
しかし、それを自身の実力不足によって、受け入れなければならない状況に追い込まれる。
この経験の有無なのです。
そして、あらゆる方法を駆使し失敗を未然に防ぐ。そのために今の自分に何が必要かを、改めて考える。
つまり、いままで単体で学習した、【技術力、コミュニケーション能力、自分への責任】が研修先で一気にミックスされるのです。
この経験をした学生は、動きにブレがない。

今までは、自分が上手に作れば、先生に褒めてもらえる。承認欲求もおのずと満たされ、さらに努力することができた。
しかし、これからは、チームとしていいものが出来上がることが、自分への賞賛であり、課せられた責任でもある。

先生たちは、気づいていますよ。
君たちが、冬休みにした経験が、実習で生かされていることを。
卒業まで、あと少し。一緒に頑張ろう☆

~プロフィール~
辻製菓専門学校 洋菓子担当
森 貴行
京都出身。技術を教えながら、やる気に満ち溢れた学生と一緒にお菓子作りの毎日。
旅行好きで、寺社参り・御朱印巡りしながら、ご当地グルメ堪能が癒し。
花も好きで自前のカップとコースターは花柄。