OSAKA

麹の応用 ~その2~

調理師本科・キャリアクラス
調理師本科・調理クラス
調理技術マネジメント学科
高度調理技術マネジメント学科

2020.02.29

こんにちは!(ノ・ω・)ノ

中国料理班の中島です!

前回は長々と文章ばかりを書きましたがわかりやすく読んでもらえましたでしょうか?
今回は実際に作業を行いながらポイントを紹介していきたいと思います!

その前に前回麹の作り出す酵素である【アミラーゼ】と【プロテアーゼ】が重要という話をしましたが、
実は酵素は生き物ではありません!

物質なので自身の力で増えることができないんですね!
ですので麹を作る際にそれだけ多くの酵素を生成した麹を作れるかがポイントになります!

それではそのことを踏まえて説明をしていきますね~

まずは蒸し具合ですね!

浸水した麦の水分をザルに上げてしっかりと水分をきります!最低でも30分はおきましょう!

ここで重要なのは浸水具合なんですね。
実は麦は米などに比べとても吸水しやすいです。長時間してしまうとべちゃべちゃな仕上がりに・・・
浸水時間は水温によりますが2~4時間が目安になります!
米や大豆はその心配がないので目安としては一晩!

続いて蒸して火を通しますが蒸し具合!

蒸しすぎて柔らかくなってしまうとべちゃべちゃな麹になってしまいます!
火の強さにもよりますが20~40分を目安に蒸します!

芯は残っていないけどもやっと火が通ったくらいの状態がベスト!
このようにして確認します↓


続いて温度管理、湿度管理と酸素供給!

種付けが終われば麹が増えやすい環境を作ってあげる必要があります。その環境とは湿度と温度ですね!
温度は30~34℃付近が適温といわれます。
湿度については麹の数を増やすこの段階では湿度と麦内部の水分が必要となります。
発酵機などの内部を出来るだけ湿度が保たれた状態を維持することで麹が増えやすい環境となります!

麹が順調に育っていれば種をまいてから20時間後付近に変化が見られます。
それが温度の上昇ですね!

温度の上昇が見え始めたらこの前後で一度切り返しといってさらしをほどき、麹に酸素を送るように塊をほぐしながら揉みこみ、さらしを縛り直して元の状態に戻します。

この時に写真のように固まっていればうまく育っている証拠ですね!



ここで酸素をしっかりと送り込み、更に麹を活性化させ、温度も上がっていけばいよいよさらしをほどきます!

麹が順調に育ち、表面にしっかりと付着してくればここから重要となるのは実は水分を飛ばすことなんです!

麹は自身の養分を必要とする為に内部に菌糸を伸ばしていき、麹の分解酵素により自身の養分を確保します。
しかし水分があれば、養分が確保されていると判断し、内部ではなく表面に胞子を伸ばしていきます。

実は人間にとって有益なのはこの胞子ではなく内部に食い込んでいく菌糸のほうなんです!
分解酵素を作るのは菌糸であって胞子にはその力は殆ど無いと言われているそうです。

自身の子孫繁栄のために米や麦から養分を得るために菌糸を内部に食い込ませてその養分を確保できれば、糖やアミノ酸をエネルギーとして使用しながら胞子を伸ばしていっているということです!

フワフワした緩い感じに見えますがなかなかあざといことをしてるなと僕は勝手に思っております(笑)
まぁそんな麹の力を使って美味しいものを作ろうとする人間もなかなかのものですが(笑)

少し話はそれますが、コウジカビにも無数の種類が存在するのですが、実は毒性を持った種類が多く存在します。

ではなぜ私たちが麹の力を使い安全に美味しいものを食べれるかというと、昔からずっと使っているコウジカビが家畜のように飼いならされていき、人間と共存することにより、より一層人間にとって有益なものへと変化していったのではという説があります。オオカミと犬のような感じですかね!

ちなみに今では科学的に安全性の確保されている菌のみを取り出し、培養して使用しているので心配はありません!

とまぁ昔から人間と麹は長い付き合いで、お互い持ちつ持たれつの関係性という事で話を戻したいと思います!(笑)

麹を増やすためには水分が必要!なので初めは湿度が必要なのですが、ここからは水分を飛ばしていきながら麹にとっては過酷な状況を作ることが良い麹を作る秘訣となります!

麹的には、
『え、内部に水分ないやん!やばっ!栄養分無いから菌糸食い込ませてでんぷんとたんぱく質を分解して養分確保せなヤバイやん!胞子伸ばしてる場合ちゃうわ!』的な環境を作る必要があるんです!

ここで内部の水分が多いとぬくぬくと胞子を伸ばしたこのような状態になってしまうんですね・・・

この状態だと内部のでんぷんやたんぱく質を分解したのちにそれをエネルギーとして胞子を作っているので、糖やアミノ酸も少なければ分解酵素の力も弱いというダメダメな麹になってしまうんですね・・・
なので蒸し加減が重要となるということなんです!

ただし気を付けないといけないのは、温度は35~37℃付近をキープしながら乾燥しないようにすること!
乾燥してしまうと菌糸は育たなくなってしまうので・・・

とまぁこのように乾燥せずに温度をキープしながらできるだけ水分を飛ばすという条件を48時間前後まで続けることにより良い麹が出来上がります!



ただし、これは良い麹を作ろうとした際のお話!

サラシから解放したのちに温度さえ守って適度な湿度があれば板状になった麹が出来上がります。



そこそこのクオリティでよければ今説明したようなことまで気にしなくても良いんですけどね!

一応調理師学校の職員という事で出来るだけ良いものを作りたくてこんなところまでたどり着いてしまいました(笑)

ただしあくまでも僕は専門家ではなく、興味本位から勉強し実践している身なのであまり専門的な詳しい話はできませんが、35~37℃という温度帯はあくまでも目安でしかなく、醤油を作る際は20℃後半、逆に一部の日本酒を作る際は40℃前半に設定をし、麹を作られるそうです。

これにはそれぞれ温度帯により生成される酵素の種類や量が異なるため、プロの方々は麹を使用し、どのようなものを作るかによって温度管理や時間経過などで麹の出来上がりをコントロールされるそうです。

先日業界の方とお話をする機会があったのですが、今世界中の料理業界のトップシェフの間では発酵がトレンドになっているそうです。 麹を使った発酵の力に日本人以外のシェフが注目しているとのお話!!

今日は科学や技術の劇的な進歩から世の中がグローバルになり、世の中にはいろいろな可能性が満ち溢れています。

僕自身も発酵に新たな可能性を感じ、日々勉強をしながらいろいろなことにチャレンジしています。

食文化など料理の世界には長い歴史がありますが、それでもいまだに新しいものが料理人の力によって生み出されています!

流石にマニアックな内容の記事だったのでどのような方々が読んでくださったかはわからないですが、少しでも興味を持ったら是非ともオープンキャンパスへ参加し料理人の世界を少しでも体験してみてください!

ちなみに学校には多くの先生がいるので僕みたいなマニアックな人ばかりではないのでご安心下さい!(笑)
是非とも自分に合った先生を探してみては??


めちゃめちゃ長文になってしまいましたが麹についてはこれにて終了!
引き続き中国料理の調味料は紹介していますのでそちらも読んでみてね~

長々とお付き合いいただきありがとうございました!!

それでは~(๑˃̵ᴗ˂̵)و