OSAKA

辻調理師専門学校

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豆豉の作り方『実践編 その3』~漬け込み~

調理師本科
調理技術マネジメント学科
高度調理技術マネジメント学科

2020.02.22

こんにちは!(ノ・ω・)ノ
中国料理班の中島です!

前回に引き続き豆豉の作り方について紹介をしていきます。
前回は豆麹が完成しました!

それでは今回はその続きを説明していきますよ~
この度は2種類の豆麹を作りました!

緑色のほうは醤油用の麹、白色のほうは味噌用の麹となります!

両方ともたんぱく質の分解力がとても強いもので、
醤油用に至っては種麹の中でもトップクラスの分解力を持つと言われているものを使用しています!
どのような差が出るかも紹介していければと思います!

それではまずはこのきれいな表面の胞子を落としてしまいます!!

なんかもったいない気持ちになってしまいますが・・・
日本の麹を使用した加工品を作る場合はこのような事をしませんが
中国料理の発酵食材の作り方を調べているとほとんどが表面の胞子を洗い流しています!

以前も軽く触れていますが、専門家の方のお話によると
表面の胞子は見た目だけで我々人間が麹を使うメリットは胞子には存在しないとの事!

何はともあれ中国のやり方にならい、同じように胞子を洗い流し、ザルに上げます!





そして洗った豆麹の水分をしっかりと切り、袋に移したらひたひたになる程度の水を入れます。



この時にできれば一度沸騰させて冷ました水を使用するのがベスト!

水道水には塩素が含まれており、これが発酵を阻害するというお話・・・
数分沸騰させることにより塩素がなくなるとの事!
真相の程は定かではありませんけどね!!

洗った豆麹とひたひたの水を合わせた総量に対して10%の塩を入れてよく混ぜたら完了!

このまま豆麹が柔らかくなるまで常温で放置!
適温は20℃半ばから後半かなと思います。
経験上30℃以上になると急激に発酵が進みあまりよろしくない感じになります。
逆に低すぎると悪くはならないのですが分解されるまでの時間が長くなります。

それでは漬け込んだその後を見ていきましょう!
まず漬け込んで約1週間後。左のものが味噌用、右が醤油用になります。

アップで見比べてみると・・・

味噌用

醤油用

醤油用のほうが液体が濁ってますね~
画像からは分かりづらいですがこちらの方が若干溶け始めてるような感じです!

そしてその3日後の写真がこちら!

先ほどと同様左が味噌用、右が醤油用です。
アップで見比べると・・・

味噌用


醤油用

液体は両方濁ってきてますが醤油用のほうは豆が大分溶けてきてます!

ここからは乾燥の工程に移ります!
と、長くなってきたので今回はここまで!

次回は遂に乾燥~熟成を経て完成までの紹介をしたいと思いますよ~


それではまた~(๑˃̵ᴗ˂̵)و




=今回の番外編=

この度使用した種麹のチョイスについて

麹の一番の特徴は分解酵素にあります。
詳しくはこちらの記事を参照にしてね!
https://www.tsuji.ac.jp/college/chorishi/blog/cat819/_1_1.html

その中でも特に大事なのがでんぷんを分解して糖にする【アミラーゼ】とたんぱく質を分解してうまみの素となるアミノ酸にする【プロテアーゼ】の2種類です。

大豆はたんぱく質の多い食材です。そして豆豉はうまみの素のような食材なので、数ある種類のコウジカビの中からこの度はプロテアーゼに特化したコウジカビを使用し、大豆のうまみを最大限に引き出そうという作戦です!
そして2種類の種を選んでその違いを検証してみようと思っています。
味噌用はいろいろな種類がありますが、その中でも特にプロテアーゼが強いものをチョイス!

完成が楽しみですね~