FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

松本 一真さん 研修先:HOTEL RESTAURANT LA MARANDE(ラ・マランド)

研修生レポート

2019.06.07

松本 一真(MATSUMOTO Kazuma)
2018年秋コース レクレール校 フランス料理研究課程
出身校:滋賀・比叡山高校卒
辻調グループ出身校:辻調理師専門学校 調理技術マネジメント学科
研修先:HOTEL RESTAURANT LA MARANDE(ラ・マランド)

僕の研修先は、フランス中央部、ブルゴーニュ地方南部の都市マコンから北に25kmの所に位置するモンブレ MONTBELLET という村にあるオーナーご夫妻が経営しているホテルレストラン「ラ・マランド La Marande」です。
石造りの店内には数々のアート作品が並んでおり、ブルゴーニュの歴史を感じさせてくれます。客数は約50名が収容できますが、夏場にかけてテラス席が開放になるので、更にお客様をお迎えすることができます。そして敷地内の庭にも席があり、そこでは食後のカフェができるようになっています。地元の食材を使用し、エキゾチックなエッセンスを取り入れた繊細な料理を提供しています。また、上質な白ワインの産地でもあるので、素晴らしいワインと共に味わえるレストランです。

研修開始当初は1ヶ月間パティシエを担当しました。僕はキュイジニエ(料理人)なので初体験のことばかりでした。仕事内容はパンを作ったり、デセールの仕込みや提供など全般の仕事をしました。徐々に仕事を任せて貰えるようになり、現在もキュイジニエをやりながらパティシエもやっています。まさに2刀流です(笑)。
そして、本職の調理のほうでは、仕込みの時間は基本、アミューズやアントレ(前菜)をやっていますが、パンタード(ほろほろ鳥)の下処理をしたり、魚をおろしたり、ソースを作ったりなど色々な仕込みをやっています。サービスが始まるとアペリティフのおつまみ、アミューズ、アントレの盛り付けをしています。これらが終われば、ポワソン(魚料理)とヴィアンド(肉料理)の盛り付けの補助をしています。
仕込み、サービス中ともに色々なことをやらせてもらい、味付けや火通しなどの重要な仕事も任せてもらえています。

シェフのフィリップ・ミシェル氏はパティスリーで働いていたこともあるそうで、パンやデセールの技術や知識も豊富で、色々なことを教えてもらっています。シェフの料理、お菓子に対する情熱にはいつも尊敬の念を覚えます。
仕事中は「これはこのようにするのだよ。」や「この料理はこれが大事。」など、料理のポイントを詳しく教えてくれます。ある日には僕がパティシエの仕事に真剣に取り組んでいると、デセールの本を貸してくれました。また、定期的に1週間分の食材の買いにシェフと2人で市場に買いに連れていってくれます。とんでもない量の食材にびっくりです(笑)

住居は4人部屋ですが、いまは他の研修生がいないので現在は僕1人で住んでいます。設備はテレビや机はありますが、キッチンがないので調理はできません...(笑) でも仕事の日はまかないがありますし、特に困っていません。
レストランのある村は高原や畑が広がっており、自然に恵まれています。景色はキレイで落ち着きます。スーパーなどの店がほとんどないので、近隣のマコンMaconやボーヌBeauneといった大きい町に出かけます。

休みの日は散歩したり、料理やお菓子の勉強をしています。研修中の身ですが、もちろん食べ歩きもしています。4月下旬には、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地方のヴィエンヌにある2ツ星レストラン「ラ・ピラミッド」に食べに行きました。まだまだ行きたいレストランがあるので休日を利用して行きたいと思っています。
たまにはシェフの家族とミニパーティーをしたりもします。僕のつくった巻き寿司はけっこう好評でした。フランス人との交流にもだいぶ慣れてきました(笑)。

そういえば、僕は研修中に誕生日を迎えたのですが、その日の仕事終わりに、従業員の皆さんが祝福してくれました!しかも僕には内緒でパティシエの人がデセールを作ってくれていました。この時の嬉しさは、今でも忘れません!僕もフランスの習慣に倣ってシャンパンを皆さんに振る舞いました。


  
毎日色々な食材に触れて、1つ1つの食材の旨味がわかるようになってきました。シェフの考えのもとで働き、食材の組み合わせやソースなどの工夫、食材の下処理の技術などたくさんのことが学べています。毎日が新しい発見ばかりで、追いつけていない部分もありますが、1つ1つの積み重ねが大切だと感じています。研修中は料理の知識や技術が身についてくることは当然ですが、何より、「お客様」のことを思う気持ちが常に強くなりました。

フランス校在学中の時もお客様のことを考えて取り組んでいたつもりでしたが、実際にレストランで働き、お客様を見ことで、より強く感じるようになりました。なので仕事中は「自分がつくった料理でお客様を満足させてみせる!」という気持ちを持って働いています。

 

今後の目標は1つでも多くの食材に触れ、自分でも食べて味を知り、知識や技術を身につけて日本に帰国することです。帰国後は就職をして、誰からも信頼される料理人を目指したいです。そしてもう一度フランスに戻って働きたいとも思っています。いつか自分のお店を持ち、常に新しい発見を生み出し、世界に発信できる料理人を目指したいと思います。