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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Philippe MILLE(フィリップ・ミル氏) Le Parc Les Crayeres(ル・パルク・レ・クレーエール)

フランス校教壇から

2015.02.19

今日の調理外来講習は、シャンパーニュ地方のランスという都市にある2つ星レストラン「ル・パルク・レ・クレイエール」のシェフ、フィリップ・ミル氏と、アシスタントとしてミルシェフのもとで現在スー・シェフとして腕を振るっている、1996年レクレール校卒業生の馬場さんにお越しいただきました。

ミルシェフは2009年の「ボキューズ・ドール」コンクールで銅メダルを獲得、そして2011年にはM.O.F.も受章されています。またかつての3つ星が星を失うまでになっていた現店を2011年に1つ星、2012年には2つ星にまで昇格させるほどの実力の持ち主で、今最も注目されているシェフの1人です。

ミルシェフの料理は非常に細かな作業の連続です。斬新でありながら、基本となるテクニックはクラシックなものを交え、学生たちにとっても分かりやすく説明されながら、スペシャリテを2品披露してくださいました。

Truffe noire et celeri cuisines comme un risotto, concombres de mer juste saisis a l'huile de noisette, nuage de Parmeggiano Reggiano

一番下の泡はパルメザンチーズで作られています。その上に、根セロリを小さな角切りにし、セロリのブイヨンでトリュフとヘーゼルナッツの香りをつけながら、リゾットのように炊き上げたもの。更にその上にはコンコンブル・ド・メール(フランス産のナマコ)をにんにくとパセリの風味でさっと炒めたものがのせられています。飾り、食感としてトリュフを可愛らしく花形に抜き取ったものと、クルトンが添えられています。

Diamant pigeon truffe noire

トリュフの薄切りをダイヤモンドの形に張り合わせ、その中にフォワ・グラとマスタードで作られた詰めものを詰めて加熱します。大変手の込んだ美しい仕上がりになっています。その下にはラルド(塩漬けにした豚の背脂を熟成させた加工品)、小さな角切り野菜と鳩のもも肉で作った付け合わせがあります。一番下には根セロリのピューレ、周囲には飾りとして水菜の葉が添えられています。

真ん中に配置されているのは上記と同じで、それを取り囲むように黒らっぱ茸のパウダーがふられています。

その上に見えるものは、鳩胸肉の中に鶏胸肉、トリュフ、フォワ・グラ、内臓類で作った詰め物を詰めて加熱し、その周りを鳩で作られたソースに豚の血、細かく切った内臓類で濃厚にしたソースでコーティングされてできています。白いラインは根セロリのピューレ。

左横に見えるものは、クルトンの上に火を通した鳩胸肉、トリュフをのせ、その周りを鳩から作られるソースでコーティングされて作られています。トリュフの薄切りが贅沢に使われています。上記同様、根セロリのピューレ、水菜があしらわれています。

学生たちにとっては大先輩にあたる馬場さんは、「働き出すと忙しい日々が続き、今のようになかなか遊べなくなります。ですから今のうちにしっかりと遊んでおきなさい」と熱く激励してくださいました。

講習のアシスタントを務めたのは、フランス料理研究課程の赤嶺翔之介君(左)、近都和也君(シェフ左)、國松万祐子さん(シェフ右)、梅原弘貴君(右から二番目)でした。