FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

調理外来講習 M. Jacques MARCON(ジャック・マルコン氏)/Régis et Jacques MARCON(レジス・エ・ジャック・マルコン)

フランス校教壇から

2022.02.24


今回の講師はレストランRégis et Jacques MARCON(レジス・エ・ジャック・マルコン)のシェフ、Jacques MARCON(ジャック・マルコン)氏です。


リヨンから車で1時間半ほどのSaint-Bonnet le froid (サン・ボネ・ル・フロワ)という村にあるミシュランガイドで三ツ星を獲得しているレストランです。

ジャック氏のお父様レジス氏は、1995年ボキューズ・ドールの優勝者です。レストランの周りにはたくさんのハーブやキノコがあり、キノコを使った料理がスペシャリテであることから「キノコの魔術師」とも呼ばれ、その他にもレンズ豆など土地の食材を用いた独自の料理を作られています。

店内の一面のガラス窓から見えるパノラマは壮大な自然を映し出し、お店のシンボルでもあるセップ茸や、レストランの周り一帯で取られる香草を料理の食材としてイメージするにはこの上ない演出です。

ジャック氏は、現在同店の統括シェフとしてレストランを運営されています。

以前レクレール校で研修をした事もあり、フランス校にも大変思い入れがあるそうです。

一皿目

Saint-Jacques, poireau, truffe noire ホタテ ポワロ 黒トリュフ


温かいものと冷たいものを同時に楽しめるホタテの料理です。香草風味の衣をつけて揚げたホタテと、さっと焼いたホタテをサラダの上に置いたお皿とを同時に提供します。丁寧に火を通したポワロ(ポロネギ)も添えられています。トリュフは常温で使うのが一番香りが出るとのことでした。レストランで取れる自家製の野菜もふんだんに使われています。

二品目 

Omble artichauts sureau オンブル アーティショー シュロ

オンブルとアーティチョークの料理です。アーティチョークはあくをしっかりととりバリグールにします。「バリグール」とはアーティチョークだけに使われる料理法で、詰め物にしてオリーヴオイルで炒めるものです。詰め物にはニンジンと玉ねぎを使い、エストラゴンやニンニクで風味を付けました。オンブルは皮のついた方をフライパンで焼き、外した皮にカリカリに焼いたじゃがいもの千切りを巻きます。それをオンブルに載せてサラマンダーに入れ仕上げます。シュロは植物の名前で、それを使って作った酢を使ってバターソースを作り、添えました。

自家製の野菜、ハーブを使った料理、素材の味を活かした料理を得意としたレストランの料理でした。マルコン氏は「絶対に食材は無駄にしません。きれいに野菜をカットした時にでた破片などもスープやピュレに使ったりと、全て使い切ります」と話していました。また、「レシピは大切だがそれ通りに作るよりも自分の知っている味の記憶を頼りに寄り美味しいものを作ることが大事。したがっていろいろな物を食べたくさんの味を知ることが重要です」とのことでした。多くの人が憧れるレストラン「レジス エ ジャック マルコン」の料理とジャック氏のお話はとても興味深かったのではないでしょうか。



アシスタントの研究生と一緒に(撮影時にマスクを外してもらいました)