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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Hervé RAPHANEL(エルヴェ・ラファネル)氏 Le Millénaire(ル・ミレネール)

フランス校教壇から

2020.01.08

今回の外来講習は、来年2月にある「シャンパーニュ見学」で訪れる「シャンパーニュ」の中心都市Reims
(ランス)の1つ星レストランLe Millénaire(ル ミレネール)からHervé RAPHANEL(エルヴェ・ラファネル)氏に来て
頂きました。なんと、シャトーまで車で4時間以上かかります。

ラファネル氏は、リヨンの1つ星レストランPierre Orsi(ピエール・オルシ)などを経て、故ポール・ボキューズ氏が
展開しているブラッスリーのシェフやl'Institut Paul Bocuse(ランスチィチュツ ポール・ボキューズ 故ボキューズ氏が
運営する調理学校)で指導をしていた経歴を持っています。昨年までは親友でもあるギィ・ラソゼ氏が監修する
ホテルのブラッスリーでシェフをされていましたが、今年6月にランスに移られたところです。

☆今回披露いただいた料理2品。

Noix de Saint Jacques au Parmesan ; Bouillon de Laitue

今が旬のほたて貝を使い、冬に不足しがちなビタミンを補うように考えられた一品。
ほたて貝はバターで色付くようにさっと焼き、バター、パルメザンチーズ、パン粉で作った生地を乗せ、
綺麗に焼き上げます。
ほたてのヒモから抽出した出し汁に、ほたてを焼いた時の香ばしいバター、酢をくわえて、
酸味のあるソースを作ります。このソースと、さっと塩ゆでしたサラダ菜をミキサーにかけて緑鮮やかな、
酸味のあるソースに仕立てます。

今回の講習中ラファネル氏は、たびたび食材を知ることの重要性を言われていました。

「ほたて貝は9月から3月中頃までが旬になる。養殖や冷凍ではなく、自然の恩恵を受けた旬の食材が一番
おいしい。それを使い、料理することが大切だ」と語られていました。

その他にも、「フランスに居る間、たくさんの事に興味を持ち、経験すること」、「厳格さをもって仕事に
あたること」、「調理に関わるすべての人に気を使うこと」、「経営者としての目線を持つこと」など、
料理を作ることだけではなく、料理人としての大切なポイントをたくさん話していただきました。

Lièvre à la royale

「野兎のロワイヤル風」という伝統的なジビエ料理を、現代の形に変えて提供する一品。

昔は野兎を姿のまま調理していましたが、今は骨を取り除き、円筒形にして提供されるのが一般的に
なりました。火通しの方法も進化し、昔は丸のままブレゼという蒸し煮のような火通しでしたが、その後、
布で巻いて円筒形に成形し、たっぷりの90℃の出し汁で一晩かけて煮るようになりました。現在はさらに進化し、布ではなくラップで円筒形に成形し、まずは85℃で30分蒸して全体の殺菌を行い、更に62℃に落として
2時間30分間じっくり蒸して火通しを行っています。
ソースも小麦粉を使わず濃度がしっかり出るように長時間かけて煮込んで作り、最後に血を加えて濃度、
コク、色ともに艶やかなソースに仕上げています。
付け合わせには季節のキノコや根セロリのピュレを添えています。

ラファネル氏と一緒に仕込みを行う研究生。

人生初めて?の野兎を試食する研究生。

講習の最後に、「日本の学校で教えていること、そして日本人の研修生は本当にすばらしい。フランス各地の
シェフが欲しがっている。頑張ってください。」とエールを頂きました。

シェフを囲んで、研修生全員と記念写真。