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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Jacques DECORET(ジャック・デコレ氏) / Maison DECORET(メゾン・デコレ)

フランス校教壇から

2023.02.28


今回の外来講習は、ミシュランガイド1ツ星レストラン「Maison DECORET(メゾン・デコレ)」のオーナーシェフ ジャック・デコレ氏と現在同店で働かれている息子のアレクシー氏とフランス校の卒業生の3名の方にお越しいただきました。

リヨンから車で2時間ほどのVichy(ヴィシー)という町にデコレ氏のオーヴェルジュがあります。デコレ氏は「ラ・コート・サン=ジャックLa Côte Saint-Jacques」、「トロワグロTroisgros」、「アルページュArpège」、「レジス・マルコンRégis Marcons」などの有名店で勤務、1996年にM.O.F.を受章。1998年にレストランを開業し、2000年にミシュラン1ツ星を獲得、2008年現店に移転されました。

今回は前菜と肉料理の2品を作っていただきました。

まず、1品目は牡蠣とケールを使った一品です。

Sur l'idée d'une soupe aux choux, l'huître de Gillardeau n°2
Grillon et graisse de porc

牡蠣は片面をさっと香ばしさを出すためにグリエし、もう一方の面は生の状態に仕上げます。ケールは葉と茎に分け、柔らかくなるまで塩ゆでします。ジャガイモはバターと鶏の出汁で柔らかくし、ゆでたケールと一緒にミキサーにかけ濃度があるピューレを作ります。そのピューレに鶏の出汁とバター、生クリームを加えハンドミキサーで空気が入るよう軽く仕上げます。
次に付け合わせとしてライ麦パンのクルトン、豚の背脂のチップス、カーリー・ケールを油で揚げたチップスとフレッシュな葉、茹でた茎を適度な大きさにカットし盛り付けをします。

息子のアレクシー氏とよくコミュニケーションを取りながら一緒に作っていたので実際のレストラン内の様子が想像できますね。

次に2品目はブルボネ産の鶏胸肉を使った一品です。

Poulette du Bourbonnais poêlée et pochée dans un lait parfumé de champicèpes

まず、鶏の胸肉は皮目を香ばしく焼いてから骨から身を外します。中にニンニクとタイムの葉っぱを入れてラップで形を整え、低温のオーブンで中心まで火入れをします。火通りを確認し、盛り付け前にバターで表面を再度香ばしく焼きます。最初に皮を焼くことで皮が縮み、低温のオーブンでの火通りの際に更に皮が縮むことなく形が変わりにくい利点があります。つけ合わせはほうれん草のソテーにひまわりの種を入れます。
ほうれん草はソテーしたものと最後に柔らかいフレッシュなものを加えて余熱で火を入れ、同じ食材でもいろんな食感を楽しめる工夫があります。
ソースはシャンピニョンを香ばしく色付けるように焼き水分を飛ばし、ニンニク、エシャロット、乾燥セップ茸を戻したものと戻した液体も加え火入れをします。乾燥のセップ茸を使うことでソースにコクやうま味がより多く移すことができます。ミキサーにかけ牛乳とバター、泡立てた生クリームを加えて軽く仕上げます。


乾燥セップはオーブンで乾燥させたものは香りが強くなるが色が濃い茶色になり、自然乾燥させたものは味香りが穏やかだがソースなどの色が白っぽくきれいに仕上がるなど、それぞれの利点について詳しく話をしてくれました。その横で研究生は話を聞きながらシェフの指示を聞きながら作業をしています。


作業中はシェフと従業員の方たちが見事な連携で盛りつけている姿を見て研究生たちもスタージュへの気持ちが高まっている様子も見られ、質問もたくさんしていました。

講習終了後にアシスタントを担当した研究生とシェフたちで揃って記念撮影です。