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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Julien THOMASSON(ジュリアン・トマソン氏)/Restaurant La Mainaz(レストラン ラ・メナーズ)

フランス校教壇から

2019.05.20

今回の外来講師は、M.Julien THOMASSON(ジュリアン・トマソン氏)です。
2019年春からスイスとの国境付近でモンブランやレマン湖を望める標高1240メートルの場所にあるレストラン、ラ・メナーズでシェフを務められています。
以前はSaint-Chamond(サン=シャモン)という街のホテルレストランRestaurant Les Ambassadeurs(レ・ザンバサドゥール)のオーナーシェフを2008年より務められていました。
トマソン氏は「ピエール・ガルニエ―ル」「ジャン=ポール・ジュネ」「パトリック・ジョフロワ」などの店で勤務した経験をお持ちです。氏の料理は、盛り付けが繊細で美しいだけでなく、素材の持ち味が十分に引き出されています。また旬の食材を上手く取り入れて作られています。

1品目
Les Asperges(Vertes ou Blanches) utiles minutes, croûtées à la Noix de Pécan, blanc manger aux Herbes, vinaigrette de carotte au Savagnin, croustillant de pain...

ホワイトアスパラガスは塩ゆでし、その上にペカンナッツ、バター、パン粉を合わせたクルート生地をのせ表面を香ばしく焼き上げます。
一緒に添えられているのはフロマージュブランをベースに作られた香草風味のブランマンジェ。少量のゼラチンを加えることで滑らかな食感をイメージ。
ヴィネグレットは、ニンジンのジュース、ジュラ地方特産のワイン、シェリー酒酢を一緒に煮詰め、カレー粉、ノワゼット油で合わせています。
色合いをよくするために若葉のほうれん草をヴィネグレットで和え、食感のバリエーションを付けるために、バケットの薄切りトーストが添えられています。


2品目
Le Filet d'Agneau moutarde savora et herbes,
Fenouil grillé au safran Bio du Jura, l'épaule confite en Parmentier aérien, sucs aux Herbes

子羊背肉のロース肉を、まずは表面に香ばしく焼き色をつけ、その表面にサボーラといわれる11種類のスパイスの入ったマスタードをたっぷりつけます。表面にパン粉と香草(パセリ、セルフィーユ、コリアンドル)を合わせたものをまぶし、オーブンに入れてロゼに仕上げます。

ソースは子羊の骨、あばら肉で作ります。トマソン氏の独特な作成方法により凝縮された仕上がりになっており、最後に香草のみじん切りを加えました。

付け合わせはフヌイユをサフラン、塩、こしょうと共に真空密閉して、86℃のスチームでゆっくり火を通し、中まできれいなサフラン色に仕上がったものを、オリーブ油でこんがり表面を焼き上げます。

もう一つの付け合わせとして作られたのが、アッシ・パルマンティエと呼ばれる古典料理をアレンジしたものです。ソースを作る際のしっかり煮込まれたあばら肉のみじん切りし、炒めた玉ねぎと合わせます。それを下に詰め、香草の風味をきかせたジャガイモのピューレを、サイフォンを使って盛り付けられました。

講習中、トマソン氏がいつもお店で行っている仕事のことやソースを取る時にいつも心がけている事、料理に無駄を出さないポイント、バリエーションなどたくさんのアドバイスをお話ししていただきました。研究生達もムニュースペシャル(卒業制作発表会)に向けノートにそのアドバイスを書き込んでいました。

最後はアシスタントをしてくれた研究生たちと記念撮影