【世界チャンピオンの講習!!】M. Toshitaka KAWABATA(川畑知和氏)/ 辻調グループ フランス校
とうとう今期最後の講習となりました。今まで数多くの星付きレストランのシェフが外来講師として来校されましたが、今回は特別講習です。現在フランス校で勤務中の川畑 知和(としたか)先生が教壇に立ちました。
先ずは川畑先生のプロフィール紹介から。辻調理師学校マネジメント学科を卒業後、辻調理師専門学校でTAとして半年間の経験を積みました。その後はフランス校に留学し、更に5か月間の実地研修をRelais Bernard LOISEAU(ルレ・ベルナール・ロワゾー)で行います。帰国後は辻調理師専門学校に入職し、西洋料理担当として勤務しています。2025年の春からはフランス校勤務となったのですが、2026年3月末にフランスで行われたchampion du monde du poulet de Bresse à la crème(ブレス鶏のクリームソース世界選手権)に出場し、見事優勝しました!
※コンクール当日と学内での表彰式の様子はこちら ↓↓↓
【フランス校職員が世界一に!】フランス伝統料理の世界選手権で金メダル獲得!│フランス校ブログ│辻調グループ フランス校 - 食のプロを育てる学校
コンクールのルールは、
①鶏のクリーム煮
②つけ合わせ2種類
③制限時間2時間以内に6皿作成
という厳しいものでしたが、コンクールと同じく最初はとても緊張していた川畑先生でしたが講習が始まるとスムーズに進行していきました。
では講習の内容を見ていきましょう。
最初に大会の主材料でもあるブレス鶏は下処理を行い、沢山のパーツに分けます。胸肉、もも肉、皮、骨、内臓類・・・、食べられる部分の全てを余すところなく使います。
鶏もも肉でムースを作り、半分に分けます。片方は基本の白いムース、もう片方は火を通した内臓類が入ったコクのある茶色いムースの2種類が出来上がりました。
胸肉を切り開いてバロティーヌ(骨を抜いた肉を円筒状に巻いた料理)を組み立てます。中心にはラングスティーヌ(あかざえび)とモリーユ茸(あみがさ茸)と茶色いムース、胸肉との境が分かるように、彩りでシュクリーヌ(小さいタイプのレタス)を置いて、ロールケーキの様にラップで巻きます。川畑先生は『シュクリーヌは大好きな野菜。火を通しても色が悪くならずシャキシャキして美味しいので、コンクールで絶対に使いたいと思っていた!』と話されていました。
ポシェという調理法で、80℃のお湯に入れてゆっくりと火を通します。古典料理を調べると『鶏とエクルヴィス(ざりがに)の煮込み』など、鶏肉と甲殻類の組み合わせが出てきます。非常に珍しい組み合わせですが、川畑先生は古い文献を読んで料理の組み合わせのヒントを得たようです。
次にソースを作ります。コンクールのルールのひとつに『鶏のクリーム煮』があります。川畑先生はブレス地方で作られるクレーム・エペスをたっぷりと使ったSauce suprême(ソース・シュプレーム)を作成。シュプレームとは『最高の』という意味があるので、クラシックな組み合わせにぴったりですね。
もうひとつのソースはSauce langoustine です。ラングスティーヌの殻を香ばしく炒め、香味野菜やフォン・ド・ヴォライユを加えて煮込んだ、甲殻類の風味豊かなソースです。このソースを先程のソース・シュプレームの一部と混ぜ合わせました。
これで終わらないのが川畑先生!火が通ったバロティーヌをこのソースの中に入れ、味を含ませるようにゆっくりと煮込み始めました。大会ルールにもあるように『クリーム煮』にしているのですね。ソースの風味がついて美味しくなるし、見た目はソースをまとった感じになりバロティーヌの表面が輝いています。細かい所まで考えていてすごい!!
最後につけ合わせを作ります。
ひとつ目は『椎茸のドーム仕立て』です。薄くスライスした椎茸を半球型の中に並べます。その中に味噌汁で火を通したにんじん、大根、ねぎを詰めて組み上げました。実は川畑先生の実家のお味噌汁の具材だそうです。日本人には馴染み深い味噌ですが、フランス料理の高級なソースとの相性という真反対の位置にあるものを、つけ合わせで表現しようと思ったそうです。仕上げに煮詰めてバターを加えた味噌汁を、椎茸の上に塗るとツヤっぽくなりました。ごく普通の味噌汁がフランス料理のつけ合わせとして、華麗に変身しました。
ふたつ目は『鶏の照り焼き』です。フランス人も大好きな甘辛い味。もも肉の皮目をパリッとなるように焼き、照り焼きのタレを絡めています。
それでは盛りつけます。研究生の試食も含め4皿盛りつけてもらいました。アシスタントを務めている研究生も、川畑先生と一緒に盛りつけます。
最後に研究生から沢山の質問がありました。
Q. コンクールに出場しようと思ったきっかけは?
Q. なぜバロティーヌを作ろうと思ったのですか?
Q. 川畑先生にとってフランス料理とは?
などでしたが、ユーモアを交えながら答えてもらいました。5か月間一緒に過ごしてきた学生たちの心に響いたと思います。
講習終了後は川畑先生を囲んで記念撮影を行いました。研究生と川畑先生には良い思い出になりましたね。
Merci M. KAWABATA !!


