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辻製菓専門学校

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2024年4月より辻製菓専門学校は辻調理師専門学校と
統合しました。

干菓子(ひがし)「押し物」「打ち物」「有平糖」

和菓子
製菓技術マネジメント学科

2022.12.20

今回は高度製菓実習和菓子の授業で、干菓子作りを覗いてみました。

干菓子(ひがし)とは、種類が分けられて呼び名もそれぞれです。
抹茶(薄茶)をいただく時に提供される生(なま)菓子に対して、水分の少ない乾いた菓子を「干菓子」と言います。
分類すると、落雁(らくがん)などの打ち物や押し物があります。

「盆菓子」と聞くと、馴染みがないですか? 

お盆のお供え物にある菊や蓮、果物などを模った色とりどりのお菓子です。
材料には、うるち米やもち米・麦などの穀類の粉に砂糖や水あめなどを加えて練って、
型に詰めて押し固め、型から抜いて乾燥させたものになります。
さらに、地域によっては、あんこが入っているものもあります。
また、寺社への供え物や、祝い事の際にも用いられることから、
鶴や亀、鯛、松竹梅などのおめでたいものを象徴する様々な形が作られるようになった様です。

「押し物」の作り方
・上白糖にねき蜜(水あめと水を混ぜたもの)と、色素を加えてしとり(しっとりさせる)を加える。
・着色する

・粉類を加え、捏ねて混ぜる

point:こんな硬さ

・漉して木型につめて、餡を入れる。

point:乾燥させない様に手早い作業


「松」の出来上がり

続いて、打ち物です。和三盆糖をベースにして口溶けよく仕上げました。
和三盆糖に水を加え、デンプン類を加えて練ったら、木でつくられた型に詰めて焙炉などで乾燥させて作られます。

「打ち物」の作り方
・和三盆糖に水と色素を加え調整してしっとりさせ、粉類を加え捏ねて混ぜる

point:こんな硬さ

・漉して木型につめる。

point:乾燥させない様に手早い作業

・げんべらで強くこすり平らにして、型から出す。

また、有平糖(あるへいとう)でつくられる物もあります。ポルトガルから伝来したお菓子です。
有平糖は名前自体も聞いたことがないという人のほうが多いかもしれませんねぇ。
江戸時代になってから庶民にも浸透し、やがて有平細工として技巧が凝らされるようになったようです。
砂糖と水飴を煮詰めて作られる飴菓子で、飴が柔らかい状態のうちに空気を混ぜ、
練り伸ばして作る有平糖の飴細工は、高い技術が必要です。

「有平糖・千代結び」の作り方
・飴を煮て、水あめを加え、140~145℃まで煮詰める。
浅い鍋に移し替え、粗熱を取りながらひとつにまとめる。
(注意)熱いので、布製手袋とゴム製手袋を付けて、火傷に気を付けながら・・・「熱っ」

・本紅色に着色したものと、引っ張ってたたむ作業を繰り返して空気を入れて、白く仕上げたものをつくりはりつける。

・約12cmの棒状にする。輪を作りねじって、端の先端をつまみ折りたたんで形を整えて出来上がり。

・包材にも工夫を凝らして・・・。贈答用に如何でしょう。

~プロフィール~
辻調理専門学校(1986年卒業 26期生)和菓子担当
金澤 賢吾 長崎県出身      
歌をこよなく愛す、和菓子職人をめざします。