辻調グループ創設者・辻静雄は１９６０年代以降精力的にヨーロッパのレストランを巡り、当代一流の料理人の技術を持ち帰って日本の料理人に伝え、また教育に還元する一方で、そうした料理を支える豊かな食文化を数々の著作を通して紹介しました。
辻静雄の生誕８０周年を記念して「復刊ドットコム×代官山蔦屋書店」の「料理本復刊プロジェクト」の一環として、その著作が７冊シリーズで復刊されることになりました。ラインナップは以下の通りで、フランス料理研究者、教育者、著述家としての辻静雄の多面的な活動が見渡せる内容になっています。

第１巻の『フランス料理の手帖』は、異文化としてのフランス料理の枠組みを明らかにし、メニューと料理の注文、チップ、ワイン、チーズ、器、食卓の音楽など、その楽しみ方を愉楽あふれる筆致で綴ったエッセイです。優れたフランス料理入門書であると同時に、おいしいとは、そして味が分るとはどういうことなのか、改めて食べることの意味を問いかけ、また、職業人としての料理人が心すべきことを自らの人生経験にも照らしながら語っています。
＜解説・辻芳樹＞

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