OSAKA

辻調理師専門学校

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シンプルな調理法に工夫あり! とても奥が深い中国料理の「蒸し物」!

調理師本科
調理技術マネジメント学科
高度調理技術マネジメント学科

2022.02.16



今回は辻調理師専門学校の中国料理の授業の様子を見ていこうと思います。

前回、中国料理のブログでは、「繊細な切り方」や「豪快な炒め物」について紹介しました。
実は世界一繊細!? 中国料理はダイナミックだけじゃない!
これぞ中華の神髄!?炎の料理!! 芫爆魷魚(イカの強火炒め 香菜風味)
まだご覧になられてない方は、ぜひご覧ください!

今回は「蒸し物」について紹介していきたいと思います。

蒸す料理、皆さんは何を思い浮かべますか。

やっぱりコンビニでも売っている肉まん!あんまん!カレーまん!
冬に食べたくなる「おまんじゅう」ですよね!

もちろん学校の授業でもやります。
「おまんじゅう」は感じで書くと「お饅頭」で
「饅頭」は中国でも同じ呼び名で「マントウ」と呼ばれています。

包む技術も難しく練習が必要です!
でも学生の皆さんはたくさん練習して、包めるように成長します!

また饅頭を蒸すのに使っている道具を「セイロ」と呼んでいます。

「セイロ」を使うことで、効率よく蒸して加熱することができます。
「セイロ」で蒸すと、蒸す前の形を維持でき、中国料理ではいろいろな形をした
「点心」と呼ばれる蒸した料理があります。


「ハリネズミ饅頭」


「シイタケ饅頭」


「小籠包」


「翡翠トサカ型蒸し餃子」

このように包む技術もさることながら
包んだものがそのまま加熱されて出てくる。
これが蒸し物の特徴なんですね。

他にも中国料理で蒸し物というと以下のような利点があります。

1.材料の持ち味を逃さない
2.加熱時間、温度の調整で、様々な柔らかさに仕上げることができる
3.どのような形状であっても同じ条件で加熱できる

授業っぽいですね(笑)
文字だけで見ていると眠くなってきます・・・。

しかし辻調の授業は料理を作って学んでいきます!


「鮮魚の麒麟蒸し」
魚の持ち味を最大限に引き出す、姿そのままに蒸した料理です。


「鶏肉の卵白包み蒸し」
ザクロに見立てて、卵白で具材を包んで蒸しています。


「冬瓜の蒸しスープ」


冬瓜の中をくり抜き、中に上級スープを入れて丸ごと3時間以上蒸します。
シンプルなので冬瓜に飾りを入れたり
銀器と呼ばれる専用の容器に入れて盛り付けられたりします。

どれも「蒸す」という調理法でないと、作れない料理です。
また「蒸す」というシンプルな調理法がゆえに
たくさん工夫をして美味しくなるように考えられています。

このように辻調では文字だけで学ぶと理解が難しい調理法も
目の前で料理を作って、実際に試食をしながら学んでいきます。

こんな見た目もよく、食材の味を引き出せる調理法ですが欠点もあります。

『香りがでにくい。』

中国料理といえば強い火力で香り良く炒めて作る料理が印象的ですよね。
薬味や調味料、香辛料の香りをたっぷり効かせて、料理を美味しくします。
そこで蒸し物でも、
香辛料の香りをつけたお米でまぶして蒸したり、

蒸し上がったのち、薬味をのせて熱い油をかけたりして、

香りをつけていきます。

どうでしょう。
料理人は常にどう作ったら美味しくなるかを考え
学校ではそれを学生さんに伝えていく授業をしています。

皆さんもこんな授業を受けてみたいと思いませんか?

学校ではこのような楽しく学べる理論の授業。
そして、技術を上達させる実習の授業が毎日行われています。
そんな授業の様子がこのブログや辻調のSNSで配信されていますので
ぜひそちらもチェックしてみて下さい!

~プロフィール~
辻調理師専門学校 中国料理担当
川﨑 元太
料理の始まりは祖母の作った炒飯でした。
同じように美味しく作りたいと何度もトライしているうちに
気が付けば中華鍋を買い、気が付けば辻調に入学し
気が付けば辻調で教えていました。
毎日、勉強です。
料理の勉強ってとっても楽しいですよ!