「ほんものの食材」を届ける!教材課の舞台裏
こんにちは、教材課です。
今回は、毎日の実習や講習で使用する食材がどのように届けられ、
どのように授業へとつながっているのか――
そんな教材課の舞台裏をご紹介します。
生鮮品、冷凍品、常温品......毎日多くの食材が、全国から私たちの学校に届いています。
それらはすべて、学生たちが"ほんもの"に触れるための大切な「教材」。
授業で使われる食材一つひとつに、私たち教材課の想いと工夫が詰まっています。
とくに鮮魚は、全国の漁港から大阪の卸売市場へと夜通し運ばれてきます。
市場には夜中からトラックが出入りし、セリにかけられた魚たちがずらり。
私たちは、仕入先と日頃からコミュニケーションを図り、
授業に最適な食材の要望を細かく伝えて理解してもらい、新鮮な魚を朝イチで学校へ届けてもらっています。
朝の検品場は、ちょっとした戦場!
届いた食材はまず、すべて検品場へ。品質やサイズ、数量を確認しながら、各料理班に仕分けしていきます。
魚・肉・野菜・冷凍品......あらゆる食材が集まるこの場所。
スムーズに授業が始められるよう、緊張感を持って作業に取り組んでいます。
たくさんの食材が出入りする検品場や冷蔵・冷凍庫は、
どうしても汚れやすく、衛生管理がとても重要な場所です。
納品がすべて終わる午後3時すぎをめどに、テーブルや台車を外に出して、検品場全体をしっかり清掃。
さらに月に一度の定期清掃では、床を洗剤できれいに磨き、冷蔵・冷凍庫の中まで丁寧に拭き上げています。
「ほんものの食材を、安心して使ってもらいたい」
その想いが、私たちの日々の衛生管理の原動力です。
こうして整えられた食材は、次の現場――授業へとバトンが渡されます。
実習の教室では、学生たちが素材と向き合い、料理やお菓子と格闘しています。
そのすべての土台となるのが、教材課が用意する食材たちです。
たとえば、1年生の西洋料理の授業で使用する玉葱。
4月から5月にかけて、市場では「新玉葱」が多く出回っています。
この「新玉葱」は水分が多いのが特徴で、切る練習に使うと
滑りやすく指を切ってしまう可能性があり危ないのです。
そこで、包丁に不慣れな学生たちのために、水分が少なくて扱いやすい「ひね玉葱(貯蔵物)」を使用。
北海道産のものを中心に、市場での出回り時期を見ながら業者さんに取り置きを依頼しています。
サイズも産地によって異なるため、特徴を理解して発注が必要です。
小さな玉葱ひとつにも、実習を支える工夫と想いを込めています!
季節や文化を感じる食材もたくさんあります。
例えば5月5日のこどもの日。
粽(ちまき)づくりのための藺草(いぐさ)や笹の葉が届きました!
「いぐさ」は畳の素材として知られていますが、こうして粽づくりの材料として登場するのは驚きですよね。
約170cmほどの長さがあるので、傷つけないよう折れないよう、慎重に運んでいます。
そして、時には珍しい食材も。たとえば「アカエイ」。
未利用魚として扱われがちですが、実は食材としての可能性が広がってきています。
日本では「エイヒレ」として親しまれ、ヨーロッパやアジア各国でもさまざまな料理に使われる魚。
独特のにおいも、下処理や調理法によって十分コントロールでき、適切に扱えば美味しくいただけます。
学生たちには、こうした"まだ知られていない美味しさ"との出会いも大切な学びです。
可愛らしい食材もありますよ。
「食べることができる花」エディブルフラワーは聞いたことがありますか?
料理の彩りを豊かにし、見た目だけでなく香りや味も楽しめるのが特徴です。
今回のハーブとエディブルフラワーは、元辻調職員がやっている農園から直接仕入れています。
農薬や化学肥料は使わず、阿蘇のミネラルたっぷりの天然地下水と
自然由来の有機肥料で大切に育てられた安心の食材です。
とても繊細で傷みやすいので、収穫してすぐに発送してもらい、
鮮度バツグンの状態で授業に使えるのがうれしいポイントです。
何より、元先生だからこそ、「学生のために」という
共通の思いを感じながら注文できることがとても心強いです。
教材課の裏側、いかがでしたか?
教材課は直接授業を行うことはありませんが、食材の品質や安全に気を配りながら、
学生たちが安心して学べる食材を支えています。
授業を支える縁の下の力持ちとして、これからも学生たちの成長をサポートしていきます!
辻調理師専門学校
教材課