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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 / M. Gilles REINHARDT(ジル・レナルト氏)/ RESTAURANT PAUL BOCUSE(レストラン・ポール・ボキューズ)

フランス校教壇から

2023.03.02

今日の外来講習は、リヨン近郊にあるレストラン、「ポール・ボキューズ」より、シェフのジル・レナルト氏に来校していただきました。

レナルト氏はアルザス地方で生まれ、5歳の時には料理人になることを目指していたそうです。アルザス地方のストラスブールの調理師学校を1995年に卒業したのち、コルマールにある一つ星レストラン「ル・フェール・ルージュ」で働いたのち、パリにて財務大臣の料理人としても働きました。その後レストラン「ポール・ボキューズ」、ランスにある「シャトー・レ・クレイエール」にてジェラール・ボワイエ氏の元で働き、2000年から再び「ポール・ボキューズ」に戻り、現在も働かれています。
2004年にはフランスの国家最優秀職人章(M.O.F.)を取り、2011年より「ポール・ボキューズ」のシェフをされています。

講習では「ポール・ボキューズ」を代表する伝統的なスペシャリテを2品作っていただきました。


Loup en croute, Sauce Choron 「スズキのパイ包み焼き、ソースショロン」

スズキを1匹丸ごとパイに包んで焼き上げる料理です。
内臓やえらを抜いた場所には、舌平目の身と帆立貝で作る魚のムースを詰めています。魚のムースは研究生も何度も作ったことがありますが、使用する材料や作り方がそれぞれよりコクや旨味が増すように作られるのを見て感銘を受けているようでした。
ソースは卵黄に泡を入れながら火を入れてサバイヨンをベースにし、澄ましバター、レディクション(エシャロット、白ワイン、白ワイン酢、こしょうを煮詰めたもの)、トマトの果肉を水分がなくなるまで煮詰めたものを順番に加えて、より旨味や全体の味わいが引き立てられるものに変わっていく様子を通してみることができました。

シェフに協力してソースを作るアシスタントの研究生。

スズキの皮を剥くところは研究生も初めて見る方法で、モニターにくぎ付けです。

毎日パイ包みを作るシェフの手に掛かってあっという間にスズキが包まれていきました。


Poularde de Bresse en vessie,Sauce fleurette aux morilles

「鶏の膀胱包み、モリーユ茸風味のソース・フルーレット」

ブレス産の鶏を1羽丸ごと使った料理です。

鶏の皮と肉の間にポルト酒を絡めたトリュフの薄切りを差し込み、鶏の身全体にトリュフの香りをまとわせます。糸で縫って形を整えた鶏を、ブイヨンの中で沸騰させないように気を付けながら加熱し、身が柔らかくなるように火を通します。火が通れば豚の膀胱に詰めてさらにブイヨンに浮かべて加熱しパンパンに膨らませます。

ソースは鶏ガラ、マッシュルーム、エシャロット、ベルモット酒、白ワインをゆっくりと煮詰め、生クリームと発酵クリームを加えたクリームソースに、ポルト酒の中で煮たモリーユ茸を合わせます。

ソースの作り方の説明も気さくに教えていただけるシェフ。

研究生達の感想

「仕事が丁寧で早かった。自分が日本で作ったパイ包み焼きと全然違っていた、ムースやソースの味が特に濃くておいしかった」

「クラッシックな料理を今も変わらず続けて作って提供しているのがすごいと思った、食べ歩きにまだ行っていないので今度行きたいと思う」

シェフとアシスタントを務めた研究生