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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Eric PRAS(エリック・プラ)氏/ MAISON LAMELOISE(メゾン・ラムロワーズ)

フランス校教壇から

2023.03.10


今回の調理外来講習に来ていただいたのは、フランス校から車で約2時間の場所にあるブルゴーニュ地方のCHAGNY(シャニー)という町にあるホテルレストラン「MAISON LAMELOISE」(メゾン・ラムロワーズ)
より、Eric PRAS(エリック・プラ)氏です。

メゾン・ラムロワーズは1926年からミシュランの星を得ており、ピエール、ジャン、ジャック・ラムロワーズの3代に渡り営業を続けてきたレストランです。1979年から2004年まで三つ星を維持し、2007年に三つ星に返り咲いてから現在も維持しています。

エリック・プラ氏は15歳から料理の業界に入りました。ロアンヌのメゾン・トロワグロ、ブルゴーニュ地方のベルナール・ロワゾー、サンテチエンヌにあった、ピエール・ガニエールなど、数々の三つ星を持つシェフのレストランで修業をつみ、2004年にはフランスの最高技術職人章であるM.O.F.を取得、その後はレジス・マルコンで料理長として活躍され、2008年からは現在勤務されているメゾン・ラムロワーズで総料理長をされています。

今回の講習では2品作成していただきました。

Chou-fleur & caviar Crevettes bouquet : cazette du Morvan : lait de chou-fleur

カリフラワーとキャビア、海老、モルヴァンのヘーゼルナッツ、カリフラワーのミルク

1品目はカリフラワーとキャビアを使った料理です。もともとカリフラワーとキャビアは相性がよく、
それを生かした構成になっています。生のカリフラワーを薄く切り、アーモンドオイルで香りを付けます。カリフラワーの先の部分は小さく切り、色がつくまでしっかりと揚げ、バルサミコ酢を軽く煮詰めたもので和えています。 残りのカリフラワーは牛乳の中で時間をかけてゆっくりと加熱し、牛乳にカリフラワーの香りをしっかりと移します。火の通ったカリフラワーはミキサーでピューレにし、モルヴァンの特産品である、炒ったヘーゼルナッツを細かく刻んだものと混ぜます。カリフラワーの香りが移った牛乳にカラギーナンを加えて冷やし、薄いシートを作りそれでカリフラワーのピューレを包んでラヴィオリにします。
同じ牛乳を使って卵黄と混ぜ、84℃まで加熱してカリフラワーのアングレーズソースを作ります。ゆで卵を作り、卵白、卵黄をそれぞれみじん切りにして混ぜ、その上にたっぷりのキャビアをのせます。卵黄をオリーブオイルに浮かべ、63℃で約1時間加熱して卵黄のコンフィを作り、ラヴィオリの上に飾ります。海老の殻をむいて塩ゆでにし、むいた殻を使ってソースを作ります。しっかりと煮詰めたソースを海老に塗ります。それぞれの具材をバランスよく盛りつけます。カリフラワーを様々な調理法を使い提供される一皿になっています。

ラヴィオリを作るシェフのアシスタントをする研究生。

Saint-Jacques Endives : poudre de barde : baise de cassis : nage au Chardonnay

帆立貝、アンディーヴ、帆立貝のヒモのパウダー、カシスの実、シャルドネワインのソース

2品目は帆立貝を使った料理です。

帆立貝を凍らせ、スライサーでごく薄く切ります。残った部分と形の合わない帆立貝を使ってムースを作り、薄く切った帆立貝2枚で挟み、ラヴィオリを作ります。アンディーヴを5㎜角に切りそろえ、薄茶色になるまでゆっくりと炒め、ライムの絞り汁とライムの皮、少量の砂糖でマリネします。
エシャロットを薄切りにし、シャルドネ種の白ワインを加えて煮詰め、帆立貝のヒモの部分を加えて、最後に発酵クリームを加えてソースを作ります。このシャルドネはレストランのある地域である、ワイン産地として有名なリュリーで作られるワインに使用されています。
カシスの実は酸味がとても強いので、グラニュー糖をまとわせます。帆立貝のヒモを乾燥させて、粉末にします。アンディーヴの上に帆立貝のラヴィオリを乗せ、その上にキンカンをシロップで炊いたものの皮を切ってのせます。周囲にパセリの香りのするオイル、帆立貝のヒモのパウダー、カシスの実を散らし盛りつけ、ソースを添えます。
甘味、酸味、旨味、香りが一体となる一品になっています。

盛りつけを間近でみるアシスタントの研究生たち。

バランスよく盛られていく様子を真剣に見る研究生たち

アシスタントについた研究生のコメント

「シェフは講習でも妥協なく自分で全部仕上げられていて、実際のレストランでもこんな様子で妥協のない料理を出されているのだなと思いました。こういう妥協のなさが、三ツ星のついたレストランでの仕事になるのだろうし、自分が研修に行くところでも必要なことだと思います。」

最後にアシスタントを務めた研究生と一緒に記念撮影です。