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ニュースリリース

第16回辻静雄食文化賞 受賞作・受賞者決定

プレスリリース
辻静雄食文化財団

2025.05.21

公益財団法人辻静雄食文化財団が主催する「静雄食文化賞」は、食分野の教育と研究に生涯を捧げた調グループの創設者 静雄の志を受け継ぎ、2010年に創設されました。この度、「第16回静雄食文化賞」の受賞作品・受賞者が決定しましたのでお知らせいたします。

本賞は、我が国の食文化の幅広い領域に注目し、よりよい「食」を目指して目覚しい活躍をし、新しい世界を築き上げた作品、もしくは個人・団体の活動を対象に選考し、これに賞を贈るものです。また特別部門として専門技術者賞を設け、調理や製菓等の現場で活躍する技術者を顕彰しています。
なお、第16回静雄食文化賞贈賞式は、2025年8月の開催を予定しております。贈賞式につきましては、改めてご案内申し上げます。

<リリース>第16回辻静雄食文化賞 受賞作・受賞者決定のお知らせ(PDF)
<辻静雄食文化賞とは>https://tsujishizuo.or.jp/award/


◆◆本賞◆◆
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『「台湾菜」の文化史-国民料理の創造と変遷』
陳玉箴・著、天神裕子・訳、岩間一弘・解説、三元社・刊

<贈賞理由>
国民という抽象的なまとまりが共有する「幻想」としての国民料理=台湾料理の変遷をテーマとし、期間を100年と限定することによって、日本の統治下、第二次大戦後の国民党政府時代、民主化の進展という3段階の政治体制の変化がいかに台湾の食に反映されたかを鮮やかに浮かび上がらせている点を高く評価する。国民料理という視点に立った類書はなく、本書は大きな意義を持つ。また、台湾の現代史への理解も深める上でも優れた手引きとなる。

<作品紹介>
国家と個人の関係性を生活に密着した食から探るという大きな問題設定のもと、「台湾菜(台湾料理)」という概念が、ここ100年の間にいかに形成され、変遷してきたかを検証し、政治、文化、市場の担い手がそこに及ぼした作用を多角的に解き明かした作品。高級料理店、宴席の料理だけではなく、日常的な庶民の料理や、20世紀末から重要な文化と認識されるようになった先住民の料理まで、台湾の食を重層的に描き出している。


◆専門技術者賞◆
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前田 尚毅(まえだ なおき)
サスエ前田魚店店主

<贈賞理由>
漁業者との密な連携を確立することによって得られた高品質の魚を、独自の工夫を凝らして最高の状態で料理人に届ける仕組みを一から構築し、地域や食の業界に大きな刺激と影響を与えた。 サプライチェーンの中間で発揮される専門的技術は陰に隠れがちだが、それを可視化し、その役割を拡張して川上の漁業者や川下の料理人の技術と掛け合わせることで、日本に暮らす人々にとって大切な魚食文化の活性化を促すモデルを示した功績は大きい。その意欲的な取組みを評価したい。

サスエ前田魚店
https://sasue-maeda.com/
静岡県焼津市西小川4-15-7

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第16回辻静雄食文化賞 選考委員会(敬称略)
<委員長>
鹿島茂(フランス文学者、明治大学名誉教授)
<委員>
石毛直道(国立民族学博物館名誉教授、文化人類学者)
福岡伸一(青山学院大学教授、分子生物学者)
湯山玲子(著述家、プロデューサー)
辻芳樹(辻調グループ代表、辻調理師専門学校校長)
八木尚子(辻静雄料理教育研究所副所長)

第16回辻静雄食文化賞 小委員会(敬称略)
<委員>
門上武司(「あまから手帖」編集顧問)
君島佐和子(フードジャーナリスト)
柴田泉(『料理王国』編集長)
戸田顕司(日経ナショナル ジオグラフィック 社長補佐)
長沢美津子(朝日新聞東京支社 くらし報道部記者)
浜田岳文(株式会社アクセス・オール・エリア 代表取締役)
林由香(株式会社KADOKAWA 海外事業局 海外事業総括部 編集)
山田健(サントリーホールディングス株式会社 サスティナビリティ経営推進本部シニアアドバイザー)
山内秀文(元辻静雄料理教育研究所研究顧問)
八木尚子(辻静雄料理教育研究所副所長)

<報道に関するお問合せ>
辻調グループ広報担当:渡邉
TEL:06-6629-0206
E-mail:tsujichopress@tsujicho.com